エルダー2023年8月号
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第74回12△脳力アップトレーニング!働くための篠原菊紀(しのはら・きくのり)1960(昭和35)年、長野県生まれ。公立諏訪東京理科大学医療介護健康工学部門長。健康教育、脳科学が専門。脳計測器多チャンネルNIRSを使って、脳活動を調べている。『中高年のための脳トレーニング』(NHK出版)など著書多数。脳トレは、記憶や情報を一時的に保持し、組みあわせて答えを出していく、ワーキングメモリ(作業記憶)と呼ばれる脳の使い方をすることが基本です。ちょっと記憶しながら、別のことをして、その間も記憶を保っていることが、脳を鍛えることにつながります。 今回の脳トレ問題のように、まず枠をつくり、好きな場所に文字や記号を記入します。 それを覚えてから隠して、別紙に書き出しましょう。マスを増やしたり、漢字や絵なども使ったりすると、より効果的です。生活のなかに「脳トレ」を取り入れよう認知機能の低下を防ぎ、向上させていくには、食事や運動などに加えて、脳を使って活性化させること=脳トレが大切になってきます。今回のような脳トレを、毎日少しずつでも続けていくことで、ワーキングメモリが強化されます。また、脳トレは、決して机の前に座ってするだけのものではありません。買い物から帰ったら、買ったものを一つずつ思い出してみる、晩ごはんを食べるときに、昨日や一昨日の晩ごはんのメニューを思い出してみるなど、私たちの生活のなかには、脳トレできることが溢れています。ぜひ、脳を鍛えることを意識しながら生活していきましょう。自分で問題をつくってみましょう2023.864 今回は、空間的な位置関係を記憶する映像記憶の脳トレです。空間的な位置関係の記憶には、脳の右側の前頭前野と頭頂連合野が深くかかわります。私たちは、何かを覚える際に、音のくり返しで覚える音韻ループと、目に焼きつけるように覚える視空間スケッチパッドによって覚えます。今回の問題では、目に焼きつける感覚を意識すると記憶力が高まります。目標各2分まず、文字や記号を見て覚えてください。覚えたら、問題を隠して、それを別紙に書き出してください。位置もしっかりと覚えましょう。忘れたときは覚え直してOKです。文字や記号を記憶するえ19◎86○ル

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