エルダー2023年9月号
41/68

だれかの役に立てる喜び生涯現役で明日も元気に偕■楽■苑■」の事業運営開始とともに複合型の高■■■■齢者福祉施設として「ほのぼのマイタウン」を新設、通所介護や訪問介護、居宅介護支援事業が開始されますが、そのなかの3階に長寿荘も引っ越しました。東を向いた窓からは朝日を望め、ときには雲海を眺めることもできる好環境で利用者さんも大喜びでした。私はいま、施設全体で働くなかでは最高年齢とのことですが、利用者さんは93歳の方を筆頭にみなさん人生の大先輩ばかりです。福祉の職場の経験がなかった私が長く働いてこられたのは、激動の時代を生き抜いてこられた先輩たちとの出会いに支えられてきたからだと思います。一方で働く仲間たちは若い人が多く、こちらは刺激を受けることが多いです。世代を超えた出会いが人生を豊かにしてくれると私は思います。私の仕事は入浴介助や食事の配膳介助、健2年前に長寿荘の施設長に就任した加■藤■孝■さんは「私と町田さんは同期です」とにっこり。施設のイベントではコンビで推理劇に挑戦することも。息子のような相方の存在に町田さんのモチベーションは上がれども下がることがない。■■康面での日々の体調の管理をすること、レクリエーションを企画して楽しんでもらうことなど多岐にわたります。現在50人ほどの方が入居しており、介護面での苦労は少ないのですが、入浴が嫌いな人が多く、すすんで入浴してもらえるよう工夫を凝らしています。自分で歩ける方の部屋に車いすで迎えに行き、「今日は特別に車で迎えにきました」と入浴室の近くまで送っていくこともあります。また、ある人は入所以来ずっと入浴を拒否してきたのですが、夜の時間帯にシャワー浴から始めるなどゆっくり気持ちを解きほぐし、いまでは風呂掃除まで手伝ってくれるようになりました。マニュアル通りではなく人の心に寄り添った介助を目ざしていますが、気持ちが届いたときは本当にうれしく、この仕事を続けてきてよかったと思います。契約職員の私は、年に一度、上司と面談をして勤務形態など契約を見直しており、古希を迎えたときに宿直を月2回に減らしてもらうなど、臨機応変な対応に感謝しています。現在は、週休2日、遅番、宿直、日勤でシフトが組まれます。仕事の性格上、お盆休みやお正月にも働くことはあります。勤務時間は朝8時15分から17時までが基本です。長寿荘が入っている「ほのぼのマイタウン」は四季折々の自然が楽しめる場所にありますが、秩父の中心から少し遠いため、車で通勤をしています。車の運転免許を取ったのは18歳のときで、当時は免許を取る女性は珍しがられていました。自家用車は持たず、ずっとペーパードライバーでしたが、いまは通勤に使えているので免許を取っておいてよかったなと思います。たものでドライブクラブや手芸クラブ、軽音楽クラブなどがありました。若さにまかせていろいろかじってきましたが、それらがすべていま役に立っていることを思えば、人生には無駄な経験など一つもないのだと思います。手芸の腕を活かして利用者さんの洋服に刺繡をしてあげるととても喜んでくれますし、イベントなどで歌ったりするのも、軽音楽クラブでボーカルを担当していたときの度胸に助けられています。椒みそづくりなどに精を出し、ときにはそばやうどんを打ちます。長寿荘でうどんを打ってみなさんに食べてもらうこともあります。いつまで働けるかわかりませんが、健康に気をつけて、若い職員さんたちからエネルギーをもらい、人生の先輩の利用者さんたちの心に笑顔で寄り添って、この仕事を続けていきたいと思います。スタッフの最高年齢記録を自分で塗り替える気概をもって、明日も元気に出勤します。出産まで働いていた会社はけっこう大きかっ休日は秩父の自然を活かしたふきみそや山39エルダー高齢者に聞く70歳までは月に4回の宿直がありました。

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る