エルダー2023年9月号
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ジョブ型継続雇用賃金表の図表1は、前回の図表2(2023年8月定年後の役割・働き方の見直しと賃金改定1前回はつ、く正り社方員の役割給に準拠しつつ、定年後の新たな職務内容に応じた役割等級と働き方の制約に応じて、定年前の基本給に賃金支給率(%)を掛け算して再雇用賃金の基本給部分を算定する方法を紹介しました。ただし、この仕組みは「内規」としては有効ですが、一般の社員には複雑ですし、定年後の職務内容の軽減や働き方・人材活用の制約など、賃金の減額理由を一人ひとり具体的に説明するのは、かえって継続雇用者のモチベーションを下げるリスクもあります。そこで今回は、定年後の新たな職務内容と働き方の制約に応じて、再雇用賃金の基準をダイレクトに説明できる「ジョブ型継続雇用賃金表」を紹介します。(役割給)のゾーン区分の位置関係を示します。これに対応して、Ⅰ等級Dゾーンの1ランク号※139ページ)で紹介した役割等級別の範囲給2図表4初で年、度前の回再の例雇を用再賃び金用のい決て説め明方すると、からスタートし、Cゾーン2ランク、Bゾーン3ランク…Ⅴ等級Sゾーン13ランクというように、図表2に連番で賃金ランクを設定します。左の役割給のゾーン別の上限額を、そのまま対応する賃金ランクの上限額とします。上限額は、前回紹介した正社員の金額を賃率100%の金額とし、その右に賃率90%、85%、回紹介した定年再雇用の賃金換算表の例と同じです(2023年8月号※141ページ図表4)※2。定年前の基本給がⅣ等級係長・職長クラス35万円の従業員Xさんに対し、賃金換算率を80%(減額理由は枠内)、Ⅲ等級とした場合の再雇用賃金は28万円です。この金額を右側のように継続雇用賃金表の賃率90%にあてはめると、賃金ランクの7ランク(上限29万8800円)に該当します。これは図表3の「企画・プロセスを配慮しながら自主的に判断・意思決定する仕事」という職務2023.940※1 エルダー2023年8月号 https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/202308.html※2  働き方や人材活用の制約が定年前とまったく変わらない場合は100%、ⅰ基本的に変わらない再雇用者は正社員の90%、ⅱ若干限定される再雇用者は85%、ⅲ大きく制約される再雇用者は80%です株式会社プライムコンサルタント 代表 菊■■谷■寛■■之■■ 従来型のヒト基準の日本的人事制度が制度疲労を起こし、年齢や性別を問わず人材が 従来型のヒト基準の日本的人事制度が制度疲労を起こし、年齢や性別を問わず人材が活躍できるシンプルな雇用・人事・賃金制度に対するニーズが高まっています。今回は、「ジョブ型継続雇用賃金表」のつくり方と、労働契約書に基づく定年再雇用者の役割・働き方の見直しにともなう賃金改定方法を解説します。80%の金額を設定します。賃率の適用基準は前55第5回シニア社員のためのシニア社員のための「「ジョブ型ジョブ型」」賃金制度の賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度賃金制度ののつくり方つくり方

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