エルダー2023年10月号
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ている。また、2024(令和6)年4月からの65歳定年制の導入に向けた準備を進めている。▼賃金・人事評価などなく、60歳定年後も、60歳到達時の基本給を据え置いている(60歳到達まで、年齢給としての切り下げは行っていない)。定年後の賞与は、正職員の75%としている。シャーなく働いてもらいたいことから、目標管理などの人事評価は行っていない。員が多く在籍する(12人中60歳以上6人)相談部門(フェニックス在宅相談センター)では、在宅勤務を認めるとともに、フレックスタイム制を採用している。一人ひとりの生活に合わせた働き方、労働時間を自ら選択できることで、職員のモチベーション向上につながっている。(2)意欲・能力向上のための取組み▼介護助手制度の導入就労と生きがいづくりを目的とし、「介護助手」制度を導入した。トで、介護業務のうち、専門知識・技術の必要性の有無や程度、それぞれの業務が発生する場面、時間帯などを現場スタッフ全員で整理して、※ 公益財団法人介護労働安定センター「令和4年度『介護労働実態調査』」より仕事の内容は、定年の前後で特に変わることなお、定年後再雇用の職員については、プレッケアマネジャーなどキャリアの長いベテラン職介護業務の機能分化と質の向上、高齢職員のこれは、2017年に立ち上げたプロジェク▼在宅勤務、フレックスタイム制の採用企業の沿革・事業内容同法人は1988(昭和63)年に有床診療所を開設以来、岐阜県各務原市を拠点として、地域ぐるみで「自立支援」と「リハビリテーション」に力を注ぎ、2000年に「社会福祉法人フェニックス」を設立。特定医療法人などを含むフェニックス・グループは、現在29の事業所で約540人の職員が働いている。近年は「スタッフよし、ご利用者よし、地域よしの“三方良し”」を経営方針として、ダイバーシティ型人財確保・育成・定着の仕組みをつくり、だれもが気持ちよく働き続けられる職場環境はもとより、利用者や地域の方々が元気に暮らし続けられるまちづくりに、グループをあげてチャレンジしている。高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方人財を採用していたが、ここ数年、若手の採用がむずかしくなってきており、職員の高齢化が進みつつあった。現在193人の職員のうち、60歳以上は約30%を占めており、最高齢の81歳の職員は環境整備や施設の清掃業務を元気にこなしている。職員の多くは地元出身者で、「地域に貢献したい」という思いが共通のものとなっている。介護の仕事はハードであることから、介護労働者の離職率は14・3%といわれているが※、同法人では離職率10%未満を目標に掲げている。そのためにも、子育て支援・孫育て支援をはじめとした福利厚生を充実させているほか、再雇用制度の見直しを実施した。定年後のシニア層も含めた多様な「人財」が活躍できることを目ざして、さまざま環境整備に取り組んでいる。改善内容(1)制度に関する改善▼定年、継続雇用制度希望者全員70歳まで再雇用することを就業規則に定めている。さらに、70歳以降も、基準を設けて、年齢の上限なく継続雇用することとし1310年前まではグループ全体で毎年10人程度の社会福祉法人フェニックスが運営する特別養護老人ホーム「メゾンペイネ」ⅣⅣⅡⅡⅢⅢ

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