場である」という認識が生まれ、さらに定着率が高まるという好循環につながっている。実現同社では65歳以上の社員は、それぞれの希望する働き方を考慮し、多様な勤務形態を可能にしている。例えば、通院するために4時間勤務を希望するケースなどの場合、午前4時間勤務者と午後4時間勤務者の二人で一人分として働いてもらっているほか、5・5時間の勤務時間を希望する者が一定数いる場合は、5・5時間勤務の製造ラインを結成するなど、柔軟に対応している。(2)意欲・能力の維持・向上のための取組み▼面談実施と5段階評価制度全社員を対象とした評価制度があり、正社員は上長と役職者、非正規社員は上長による面談をふまえて評価され、時給や手当に反映しているほか、功績が高い社員には表彰を行っている。定年後再雇用の社員に対しても、責任のある仕事を任せることでモチベーションの低下を防いでいる。また、再雇用の社員のおもな業務内容として「後進の育成」を就業規則に定めており、メンターとして生きがいを持って、日々、後輩の指導にあたっている。▼高齢社員の呼称元役職者や高い技術を持った高齢社員には、「アドバイザー」、「シニアアドバイザー」の呼称を与え、部下育成に注力してもらっている。同時に現場の管理に追われる上長のサポート役もになっている。▼ペア就労による技術の伝承ろう付けなど、高い技術・技能を要する業務は、高齢社員と若手社員がペアとなり、一緒に作業を行うことで、技術や技能の継承を図っている。▼表彰制度全社員を対象に、品質、安全、環境に関する標語を募集し表彰しているほか、品質改善提案制度、永年勤続に対する表彰制度などを設け、一時金や記念品などを授与している。品質不良などの発見や、生産性向上のための改善提案など、表彰内容によっては処遇に反映する場合もある。(3)雇用継続のための作業環境の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み▼健康への配慮高齢者が多い職場であるため、作業前の体調確認のほか、普段から社員の体調について話を聞くなど、日ごろの確認を徹底している。また、社員間のコミュニケーションが円滑であることから、社員間で体調不良者に気づくなど、事故や病気の未然防止につなげている。▼作業環境の改善合や、体調の変化に気づかないことがあるため、空調設備を整えるとともに、熱中症予防のため高齢者や障害者は、体温調節がむずかしい場▼ワークシェアリングによる多様な勤務形態の18立ち仕事メインの作業負担を軽減するため、足元に疲労軽減マットを導入体力が低下している高齢社員や下肢に障害のある社員が座って作業できるよう改善を実施熱中症予防のため、各職場にWBGT指数計を設置井上機工株式会社
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