エルダー2023年10月号
25/68

の目標であり、表彰を受けることで、モチベーションの向上にもつながっている。(5)高齢社員の声同社での仕事について「会社が安全と健康管理に重点をおき、シフトにも柔軟に対応してくれるので、自分のできる範囲で無理なく仕事ができています」と話す。(6)今後の課題るため、健康管理と安全管理の取組みに注力するとともに、今後は定年年齢のさらなる引上げや廃止を視野に入れている。また、高齢社員の経験や知識を活用するための方策などを工夫し、目安箱の設置、休憩室やロッカー室、風呂場や脱衣所のバリアフリー化など、高齢社員はもとより、だれもが活き活き働き続けられるよう、よりよい職場環境づくりに注力していくという。これからも、同社の飽くなき挑戦は続く。タクシー乗務員の水み谷た進し治じさん(67歳)は、高齢社員が長く働き続けられる環境を整備す▼事故防止対策と認知・生活機能対策月2回の全体補習教育では、事故防止の徹底に取り組んでいる。ドライブレコーダーの映像や年齢別の交通事故要因の分析、実際の交通事故の解説など多彩なプログラムの教育を実施し、安全・安心への気づきを喚起している。一方、65歳以上の社員を対象に、再雇用契約更新時に、産業医から運動機能および認知症に関する質問票の提供を受けて、健康状況を確認している。これにより自分では気づいていなかったことについて考えるようになり、認知症などの早期発見につなげている。問題が発生した場合は、産業医への相談やかかりつけ医への受診をうながしている。▼福利厚生休憩室や仮眠室、浴室を設置している。コロナ禍以前は、親睦会などが主催したバーベキュー大会や歓送迎会を開催していたが、現在は、研修が社員のコミュニケーションを高める場となっている。(4)その他の取組み▼普通救命講習3年に1度、普通救命講習を全社員に実施している。同社には応急手当普及員がいるため、中野消防署長より自社講習の許可を得ている。管内で最初に自社講習の許可を得た事業所となった。講師は応急手当普及員が務め、講習も社内で実施するため、「楽しく真剣に学ぶことができる」と社員から好評を得ている。▼働きやすい職場認証制度と優良認定同社は国土交通省が創設した、自動車運送事業者の「運転者職場環境良好度認証制度(働きやすい職場認証制度)」の審査で、二つ星基準(現在の最高評価)に合格し、15年以上連続で、公益財団法人東京タクシーセンターによる優良事業所に認定されている。▼救命褒賞マタニティ・マイタクシー(陣痛タクシー)のサービスにおいて、消防署より救命褒賞を受賞している。マタニティ・マイタクシーとは、出産する病院などを事前に登録しておくことで、陣痛時の送迎講習を受けたドライバーが24時間いつでも陣痛時に迎えに行き、道案内なしで病院に送迎するサービスである。▼表彰制度年に1回、年間を通して無事故、無違反者の表彰を実施し、表彰者には景品を授与している。タクシー業務を行っている社員にとっては最大ずにん23運行管理者が1台ずつ出庫を見守る様子タクシー乗務員の水谷進治さん(67歳)

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る