なり、1895年に石油販売業に着手し、同時に食品卸売業も開始した。1953年5月に法人化し、「株式会社尾賀亀商店」が誕生。時代の波を受けガソリンスタンド事業は順調に拡大していった。1986年には商号を現在の社名である「株式会社尾賀亀」に変更し、自社の車検や整備工場の開設などガソリンスタンド事業は拡大の一途をたどっていく。2023年9月現在、滋賀県内に15カ所のガソリンスタンド(1日約5000人が利用)を運営するTCS事業部、県内法人向けに石油製品卸売業を営むエネルギー事業部、食品事業を営む食品事業部(子会社2社を含む)の3部門を事業の柱として、さらなる飛躍を目ざしている。企業の高齢化の状況、職場改善等の背景と進め方同社の社員数は176人、60歳以上が全体の約20%を占めている。社員の60%はガソリンスタンドを運営するTCS事業部に所属。50代の社員が多く、離職率も高まってきており、若手社員数も少なくなってきたため、8年前から新卒採用を開始した。現在は20・30代が増加してきている。ガソリンスタンド事業は地域のインフラとしての役割をになっており、高齢社員が24時間営業を支えていることから、高齢社員が安心して働き続けられる会社を目ざして、さまざまな制度を取り入れている。(1)制度に関する改善▼定年制の改定勤務形態、時給について担当部長との話合いを行い、再雇用についての意思確認と、再雇用を希望する場合の雇用条件を調整している。定年後の不安や本人の希望などをていねいにくみ取り、60歳定年後は、「キャリア社員」として再雇用している。ンスタンドにおける夜間アルバイトは、接客機会や肉体的負担が少なく高齢者でも対応可能な仕事と考え、人材確保のために、2021(令和3)年3月に80歳までの再雇用制度を導入した。▼短時間勤務制度るように、70歳までの労働時間は週40時間以内、と、段階的な短時間勤務制度としている。キャリア社員は、基本的にフルサービスのガソリンスタンドに配置して若手の指導的役割を与えているが、勤務地については、自宅に近い場所に変更するなどの配慮を行っている。側から能動的に情報を伝え、開かれた職場づくりに取り組むことで、高齢社員の孤立感を解消している。企業の沿革・事業内容同社は1856年、滋賀県近江八幡市にて「扇屋」の商号にて創業した。当初は行燈の燃料となる油脂の販売を行っていたが、灯りが植物油から鉱物油へ転換し石油ランプが中心の時代に改善内容また、採用難が続いているセルフのガソリ本人の健康状態などに応じて勤務が続けられ2570~75歳は24時間以内、75~80歳は18時間以内60歳定年の6カ月前に、定年後の業務内容、株式会社尾賀亀ⅢⅢⅡⅡⅣⅣ
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