エルダー2023年10月号
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太■田■永■敏■さん(73歳)は、自衛隊を定年退職後、■■■EDの「高年齢者活躍企業コンテスト」への応募を勧奨。2022年度には「ながさき高年齢者雇用推進フォーラム」にて先進取組み企業として事例発表を行い、鹿取代表取締役の発表が好評を博しました。今回は、フルタイム勤務で活躍し続けている最高齢社員の方にお話を聞きました。民間企業勤務を経て、61歳のときにかとりストアーに入社しました。それから12年、青果部門で週5日、フルタイム勤務を続けています。朝は6時半に出社して、トラックで市場へ。青果を積んで店舗へ運搬し、荷下ろしまで行います。続いて、できたてのお弁当を本店から販売先へ配送。昼休みをはさんで、午後からは保育所や介護施設などから注文を受けた食品を各施設へ届けます。太田さんはこれらの仕事について、「玉ねぎなどは一箱の重量が20㎏ほどありますから、市場から店舗への運搬作業は自然と筋力トレーニングになっています。各施設への配送では、『ありがとう』と言葉をかけてもらうなど、ちょっとした会話による触合いもあり、やりがいを感じています」と明るく話します。大型運転免許証を持っている太田さんの仕事は、おもに2tトラックで行います。「もっとも大切にしているのは、安全第一です。2022年に無事に運転免許証の更新をしました。次の更新は75歳のとき。そこを一つの目標として、仕事を続けていきたいと思っています」と、太田さんは意気ごみを語ります。フルタイム勤務を続けられているのは、「有給休暇を取得しやすいことです。趣味で詩吟を習っていて、そうした時間も楽しめています。メリハリのある充実した生活ができているからでしょうか」と答えます。また、「定年が廃止されたことにより、自分で辞める時期を決めることができるようになりました。元気に仕事ができるうちは続けたいと考えている私にとっては、とてもよい制度です」と定年廃止を歓迎しています。鹿取代表取締役は、太田さんの働きぶりについて、「入社時から変わらず、いつも元気に働いています。年齢を重ねている一方で、配送先を増やすなど太田さんの仕事量は増えているんです。本当に頼もしい存在です」と尊敬のまなざしを向けて語ります。長く仕事を続けてもらうために、仕事量は本人に確認しながら負担がかかりすぎないようにすること、健康診断やストレスチェック結果や日ごろの運転の様子に気を配るようにしているそうです。かとりストアーのある大村市は、交通アクセスのよさなどから、年々人口が増加しています。鹿取代表取締役は、「さまざまな店舗の出店が増えていますが、当社としては、地域に求められる事業展開に励み、今後も地域のみなさんの期待に応えていきたいと考えています。労働者不足も危惧されますが、引き続き、働きやすい職場づくりと働き方を追求し、だれもが長く働ける環境づくりに努めていきたいです」と今後の展望を語ってくれました。(取材・増山美智子)自分で定年を決められる会社地域に求められる事業を展開35エルダー太田永敏さん。市場から店舗へ青果の運搬などをトラックで行っている

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