多様で柔軟な働き方の実現が求められるなか、コロナ禍による急激な環境変化への対応としてテレワークが一気に拡大した。また、定年延長や定年後の継続雇用に取り組む企業が増えて、かつての上司が部下になるという職場が珍しくなくなってきている。あるいは、自らのスキルアップなどのために副業を行っている部下がいるという職場もあるだろう。本書は、このような時代に求められる「上司」のあり方を提示する一冊。部下を育て組織を活かす「上司力■」を提唱し、研修やコンサルティングなどで400社以上を支援してきた著者は、これからの上司には、命令し、管理し、評価する「管理職」から、傾聴し、支援し、フィードバックする「支援職」へと変わることが求められていると説く。そして、部下全員が育ち活躍する「支援型マネジメント」を実現するための五つのステップを紹介している。各章の冒頭には重要なエッセンスを詰め込んだ4コママンガを添えて、ステップごとのポイントをわかりやすく説明していく。また、著者が開発した「メンバー育成計画シート」、「任用面談シート」のひな形と記入例も掲載され、現場ですぐに活用できる。統計的にみて、人は75歳前後から心身や社会とのかかわり方などが大きく変化するという。このため、「最後まで豊かに生き抜くためには、元気なうちに『75歳からの生き方』を考えておきたいもの」と著者は、68歳である自身の心境と本書の執筆動機を記している。本書は、ベストセラー『定年後』(中公新書)の著者である楠木氏が、充実した日々を過ごす500人以上の高齢者を取材して見えてきた、を提案する一冊。60代、70代から新たな仕事や活動をはじめたり、80代以降も現役で働いていたりする人たちの様子や統計などから、居場所、生きがい、仕事、お金などの知識やヒントを提示。また、生涯現役という考え方は、「高齢者のあらゆる課題に対する『最強の処方箋』ではないか」として、70代以降の働き方や、若い世代との職場づきあいの心構えなども綴っている。巻末には著者考案の「リ・スターティングノート」(「自分史」をふり返りながら「やりたいこと」が見出せるノート)、「財産増減一括表」(資産の変化の把握に活用可能)を収載。読者自身の75歳以降についての考えや、必要なデータを整理することができる。前■■川■■孝■■雄■ 著/楠■■ ■■木新■■■ 著/小学館/1320円部下全員が活躍する上司力5つのステップ75歳以降をより豊かに生きるための指針や方策※このコーナーで紹介する書籍の価格は、「税込価格」(消費税を含んだ価格)を表示します株式会社FeelWorks/1254円2023.1056「管理職」から「支援職」へ。人的資本主義に必要な上司のあり方がわかる!500人超を取材して見えた、豊かに楽しく「生き尽くす」ヒントが満載75歳からの生き方ノート
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