「ビジネスケアラー」は増加傾向にあり、20経済産業省が2023(令和5)年3月に公表した試算によると、働きながら介護にあたる30年には318万人になるとしている。また、ビジネスケアラー発生による経済損失額は、2030年時点で約9兆円に迫ると推計した。本書は、企業が社員も利益も守るためには、介護離職防止への対策が急務であるとして、介護に直面しても活躍し続けられる組織づくりをはじめ、多様な働き方を支援するための「職務・役割等級人事制度」の構築、仕事と介護の両立を実現させる人事労務管理などについて解説。全6章のうち第4章では、創業30年、社員数225人のある企業のケースを紹介している。仕事と介護の両立支援に取り組むきっかけや、家族の介護や看護が必要な9人の社員一人ひとりについて、それぞれの経緯から、両立支援の内容と具体的なやり取り、賃金、退職・復職まで掘り下げており、制度面に加えて、介護離職防止に対する企業の姿勢、介護をすることになった社員の不安感や直面したことへの対応まで多様なケースから学べる内容となっている。規程・書式例も豊富に収録し、人事労務担当者や関心のある人にぜひ手に取ってほしい。健康を保つためには、栄養バランスのよい食事を規則正しくとることが基本といわれる。年齢や運動量などによって必要なエネルギーや栄養素は異なり、成長期にある子どもと健康寿命を伸ばしたい高齢者とでは、何をどのように食べればよいのかは当然違ってくる。本書は、加齢による老化の影響を受け始めるという65歳からの食事に焦点をあて、身体によく、おいしい食べ方を紹介する一冊。著者は、管理栄養士として長年にわたり、ダイエットや生活習慣病予防対策など1万人以上の栄養指導にたずさわっている。本書には、厚生労働省認定健康増進施設で栄養アドバイザーを務めた際、年齢に適した食べ方をアドバイスして成果が現れた結果などをふまえ、いつもの食材、いつものメニューに少し工夫をして、若さと活力の源になる食材やおいしい食べ方をわかりやすくまとめている。魚ファースト』」、「『脂肪は避ける』より『いい脂肪を選ぶ』」がよいそうだ。また、免疫力を上げる、一生スタスタ歩ける、老化にブレーキをかけるなどの項目別に、おすすめの食材、食べ方を伝授。さっそく実践したくなる内容だ。「老い」や「年をとる」と聞くと、「さびしい」とか「人生の終わり」といった暗いイメージが浮かんでくる。だが、視野を広くして世の中を見てみると、それとはまったく違う、楽しげな印象の先輩方の姿も見えてくる。一人や二人ではなく、いろいろな世界にたくさん、である。著者は、老舗の保育関連図書・市販児童図書出版社に勤務し、サラリーマン生活を終えたばかり。絵本作家としても活躍している。しかし、この先の人生に迷いがあったという。そこで、仕事で長いつきあいのある詩人との会話を思い出し、その笑顔の奥に自分が探している答えのヒントが隠されているのではないかと気づき会いに行く。本書は、そこから始まった、90歳を超えてなお生涯現役で活き活きと過ごし、周囲に活力と元気をふりまく人生の鉄人たち14人に会い、話を聞いたインタビュー集。食事、健康法、SNSとのつきあい方、最近の関心事、これからしたいことなどを、軽妙なおしゃべりをしながらたずね、返ってきた一言一句が並ぶ。心に留めておきたい言葉や、行間ににじみ出る仕事への思い、楽しく生きていくコツが見え隠れし、読んでいると前向きな気持ちになってくる。西■■村■■聡■■■ 監修、西村聡 監修、吉■■岡■■規■■子■ 著/吉岡規子 著/日本法令/日本法令/3520円3520円菊■■池■真■由■子■ 著/木■村■■美■幸■■ 著/介護離職をさせない組織づくりと職務・役割等級人事制度おいしい食べ方100歳で夢を叶える57エルダー65歳からは、「『野菜ファースト』より『肉・三笠書房/1540円晶文社/1760円増加する「ビジネスケアラー」。介護離職をさせない企業のあり方とは若さと活力の源になる食材やメニュー、おいしい食べ方を紹介各界の「Over90歳」14人をインタビュー65歳から体と頭を強くする
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