エルダー2023年10月号
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「令和5年度高年齢者活躍企業コンテスト」の審査が終了いたしました。審査委員を代表し、応募いただいたすべての企業・団体関係者のみなさまに厚く御礼申し上げます。今回は全国から63編の応募を受け、厳正な審査の結果、厚生労働大臣表彰は、最優秀賞1編、優秀賞2編、特別賞2編、また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰は、優秀賞6編、特別賞15編が入賞を果たしました。最優秀賞の有限会社小■川■商■店■は、石油・食品小売・運輸事業を中心に事業を多角的に展開。地元企業や自治体とも連携し、地域のインフラを支える人材として、多くの高齢社員がやりがいを持って活躍しています。社員の高齢化や若手人材の採用難が続くなか、JEEDの企画立案サービスを活用し、定年年齢の引上げ、再雇用後の賃金見直しを実施し、高齢社員が長く働ける職場環境を整備していることが高く評価されました。優秀賞を受賞した社会福祉法人フェニックスは、高齢職員のみならず、あらゆる世代にとって働きやすい職場環境づくりに努めています。また、介護助手という新たな職務を創出することによって、介護業務の機能分化と質の向上を図るとともに、高齢者の就労機会を提供していることも高評価を受けました。同じく優秀賞を受賞した井■上■機■工■株式会社は、高齢社員を重要な戦力と考え、年齢にかかわらず働き続けるための職場環境整備に注力。また、他社を定年退職した高齢者を採用し、それまで外注していた作業の内製化を実現するなど、高齢社員の持つ技術、知識、経験を最大限に活用していることが高く評価されての受賞となりました。特別賞を受賞した弥■生■交■通■株式会社は、充実した研修の実施や接客接遇マニュアルの作成などにより高齢社員の活躍をうながすための取組みに注力。さらに、加齢による心身機能の変化をふまえた対策により、高齢ドライバーによる交通事故防止の徹底を図っていることなどが評価のポイントとなりました。同じく特別賞受賞の株式会社尾■賀■亀■は、高齢社員の年齢に応じて3段階の短時間勤務制度を設けるなど、高齢社員の健康状態を考慮して勤務できる仕組みを導入しています。そのほか、高齢社員にも人事評価を行い、処遇に反映させるなど、高齢社員のモチベーションアップにつなげる取組みなどが評価されました。い業界、あるいは人口が減少している地域において、高齢者を活用するとともに、長く働ける仕組みを整備している企業の取組みが目立ちました。最優秀賞を受賞した有限会社小川商店のように、地域で生活をする高齢者が、地域のインフラを守るための貴重な戦力となっている事例は、同じような課題を抱えている地域にとって、大きな励みになるのではないでしょうか。ほかの社員にとっても働きやすいことを意味しています。受賞企業の取組みを参考に、高齢者を含むすべての社員が働きやすい職場づくりに取り組んでいただきたいと思います。今年の審査では、慢性的に人手が足りていな高齢者が働きやすい仕組みをつくることは、職場環境の整備や新たな職域の創出により高齢者が働き活躍できる職場を実現内う田だ賢まさる東京学芸大学教育学部教授■■■■■■■■7■■■ちエルダー特集令和5年度 高年齢者活躍企業コンテスト審査委員長からのメッセージ

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