ましおのる営指針書には、企業理念や行動指針はもちろん、雇用に関する取り決めや制度なども網羅されており、全社員がつねに会社の指針を確認することができる。こうして会社の思いを伝えることで、よりよい職場環境を構築し、定着にもつながっている。(5)高齢社員の声 現在、保育全般と部門の給与集計などの事務をになっている大お須す賀か津つ喜き子こさん(64歳)は、「高齢社員にも責任ある仕事を任せてくださることと、利用者だけでなく社員同士、優しさや温かさなど『人を思いやる心』で接していけるところに働きやすさを感じています。また、子どもたちと接することで子どもからパワーをもらい、自分はいつも20代だと思いがんばっています」と元気の秘訣を語る。利用者の運動指導を行っている吉よ田だ稔みさん(76歳)は、入社して20年のベテラン。団塊世代の先輩でもある施設利用者を見ると、自身の健康について考えさせられるという。「仕事をしていると、健康に留意しながら利用者と一緒になって運動ができる楽しさ、そして自分への戒めとしても自然とやる気が出てきます」と意欲の源を語る。今後も楽しみを持って仕事への挑戦を続けていくという。長らく施設長を務め、「孫の面倒を見たい」などの理由で一度同社を退職した今い尾お美み佐さ江えさん(68歳)は、一段落した2021年に同社に復帰。現在は利用者をサポートする業務に就いている。再入社して2年近くが経ち、「日々の仕事が利用者の『ありがとう』という言葉や笑顔になって返ってくるときにやりがいと魅力を感じます」と仕事の喜びを語る。また、「『身体の元気と心の元気でつねに明るい職場』をモットーに、コミュニケーションを大切にしていくことが元気に働く秘訣」だという。(6)今後の課題高齢者はもちろん、障害者の雇用も積極的に行っている同社。急な体調不良で休みの人が出たときでも支え合い、助け合えるよう、それぞれがお互いの得意なことを見きわめ、適材適所で生涯現役を実現できる仕組みや環境を整えていくことを目ざしている。そのためにも、今後ますます多様化していく雇用形態や働き方のなかで、複雑化する一方の基幹業務のシステム化を喫緊の課題として取り組んでいる。貢献によって事業が成り立っているとして、その縁や思いを重要視している。そのため「人を敬い感謝する心」、「つねに自分を成長させようとする心」という二つの心を大切にし、社員の声をていねいにくみ上げることで、「ここで働いていてよかった」と感じられる働き方の実現を目ざし、心の通った職場改善を加速させていくとしている。また現在まで、退職者も含めた一人ひとりの保育業務などを担当している大須賀津喜子さん(64歳)(写真提供:株式会社マエカワケアサービス)運動指導を担当している吉田稔さん(76歳)(写真提供:株式会社マエカワケアサービス)「家族参観日」にお孫さんに感謝状を渡す今尾美佐江さん(68歳)(写真提供:株式会社マエカワケアサービス)11
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