部屋掃除、保育施設における保育業務、介護施設における介護補助業務、利用者の送迎など、身体的負荷が少ない業務への変更が可能となった。役割を明確にしたことが、生涯現役で働くことのできる業務を生み出すことにつながっている。型事業所※1と就労継続支援B型事業所※2の事業拡充を行い、2022年には高齢職員と障害者が一緒に働ける「カフェみまき苑」を開設。高齢職員が障害者のサポート役として積極的に働いている。害者の就労支援に力を入れてもらいたいという地域の要望に応えたものである。また、障害者が利用者となる就労継続支援Aこれは高齢職員の職域拡大だけではなく、障(3)雇用継続のための作業環境の改善、健康管理、安全衛生、福利厚生の取組み▼ノーリフティングケアによる腰痛予防対策身体に過度な負担がかかる動作「持ち上げる・抱え上げる」などを行わない介護をさす「ノーリフティングケア」による腰痛予防対策や腰痛予防体操を実施している。これは、高齢職員の増加にともない、ノーリフティングポリシーの考え方を積極的に取り入れたものである。具体的には、入浴の介助やベッドからの移動の際に、持ち上げ・抱え上げ・引きずりなどのケアを廃止し、リフトなどの福祉用具を積極的に使用するようにした。これにより、職員の腰への負担が軽減され、効果的な腰痛予防対策となっている。職員の腰痛予防対策の取組みは、介護の質の向上にも大きな役割を果たしている。質の高い介護によって心身ともに安心が得られることから、利用者の精神的な落ち着きにつながっている。さらに筋緊張が和らぐことで筋肉や関節への負担まで減り、姿勢がよくなるといった相乗効果もあらわれている。▼高齢職員の職域開発介護業務は身体的負荷がともなうため、高齢職員にとっては体力面での負担が大きいことから、高齢職員が70歳を越えても働き続けることができるよう、業務の洗い出しを行った。これにより、食事の準備と提供、食器洗い、▼臨時職員を対象とした評価制度の実施これまで、人事評価制度は正職員のみを対象としており、高齢職員は含まれておらず、処遇においても正確に反映されていなかった。現在は高齢職員を含む臨時職員に対しても人事評価を行っており、事前に「評価チェックシート」に本人が3段階の自己評価を記入してから、面談を行っている。評価結果は本人にフィードバックし、賃金の処遇や人事異動に反映することで、本人の長所を引き出し、適材適所で活躍できるようにしている。「臨時職員継続雇用に関する調査書」と「評価チェックシート」を活用することにより、本人の働きぶりが評価されることで、処遇の改善のみならず、モチベーションの向上につながるほか、今後の希望する働き方を管理者も確認できるようになっている。また、法人の経営方針などを相互で共有することで職場全体の風通しのよさにつながっている。▼資格取得支援介護などの職務に必要な資格を有していない職員に対し、日ごろから資格取得を推奨し、資格取得費用の補助を行っている。高齢になってからも資格は業務に役立つことが多く、自分自身が資格を有していることで担当する職務の取組みにも自信をもって対応できることから、資格取得にチャレンジする高齢職員が増えている。※1 就労継続支援A型事業所……一般企業に雇用されることが困難であるが、雇用契約に基づく就労は可能である者に対して、雇用契約の締結などによる※2 就労継続支援B型事業所……通常の事業所での雇用契約に基づく就労が困難である障害者に対して、就労や生産活動の機会の提供を行う事業所就労の機会の提供および生産活動の機会の提供を行う事業所車いす利用者を介助する電動福祉用具利用者の腰と足に巻きつけて、起立や着席を補助する(写真提供:社会福祉法人みまき福祉会)社会福祉法人みまき福祉会18
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