エルダー2023年11月号
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かんしず(5)高齢職員の声 居室の清掃や食器洗いなどの介護補助を担当する井い出で静し子こさん(81歳)は、以前よりシルバー人材センターを通して同法人の業務を行っていたが、2022年に職員として採用された。「週3~4日、1日3時間の勤務なので働きやすいですね。職員や利用者の方と話をすることが活力につながっています」と話す。施設内にあるプールの管理や、さまざまな世代の利用者を対象とした水泳指導を担当している吉よ岡お進し吾ごさん(66歳)は、2003年に入職。定年まで勤め上げ、現在は再雇用で働いている。「子どもから70歳を超えている方までの水泳指導を行っています。目標を達成したときに、ともに喜びを分かちあえることが、やりがいにつながっています」と話す。(6)今後の課題「『いつまでも健やかに生き生きと暮らし続けたい』 その願いをかなえる核となります。」という法人理念のもと、今後も支える側と支えられる側がともに幸せになれる、やりがいをもって安心して働ける職場づくりに取り組んでいく。そして、81歳で元気に活躍している最高齢職員のように、生涯現役で懸命に仕事に取り組む高齢職員がやりがいを持ち、安心して働けるよう、制度改善を行っていく。将来的には、高齢者の介護支援だけでなく障害者支援にも力を注安心してぎ、障害の有無にかかわらず地域のなかでともに生きていくことがあたり前となるような「共生型社会」を地域の方々とともに実現していきたいという。もちろん、障害者を支援する現場を支えるのは経験豊かな高齢職員である。の推進という大きな夢に支えられ、同法人の努力は続いていく。だれもが幸せを感じる「共生」のまちづくり▼福利厚生の充実化健康増進のため、高齢職員を含む全職員が「ケアポートみまき」施設内のプールとトレーニングセンターを無料で利用できるようにした。これまで一部有料であったものを無料化したことで、健康管理と体力の維持のために積極的な利用が促進され、職員から好評を得ている。また、インフルエンザの予防に関しては、高齢職員の意識も高く、ほとんどの職員が予防接種を受けている現状を鑑み、全額法人負担とした。(4)その他の取組み地域や市内の病院などに、安価で弁当を配達する新事業を開始した。これは安価な食事を必要とする人たちを支援するためであると同時に、高齢職員の新たな職務創出につながっている。また、81歳の高齢職員が働き続けていることを鑑み、生涯現役で働き続けられる職場環境づくりを法人の方針として全職員に明確にしたことで、若手職員の働く意欲に好影響を与えている。そのほか、子育て世代の職員のために保育施設を完備していることから、職員を大切にする姿勢を評価する高齢職員も多く、「働き続けたい」と願う意欲にもつながっている。高齢職員がつちかった技術は、OJTによって若手職員に伝承しており、高齢職員は技能の伝承者として大きな役割を果たしている。プール管理・水泳指導を担当する吉岡進吾さん(66歳)(写真提供:社会福祉法人みまき福祉会)介護補助を担当する井出静子さん(81歳)(写真提供:社会福祉法人みまき福祉会)19

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