ぶわろういわ〜4回勤務している。「体力的にちょうどよい勤務時間と日数です。車いすを押していると、若いスタッフが『一緒に行きます』と声をかけて手伝ってくれたり、職場全体の雰囲気がよく相談がしやすかったり、働きやすい職場です。ここで働き、ご利用者さまのお役に立てることが日々の原動力になっています。職場に迷惑ではないうちは、勤められるだけ勤め続けたいというのが私の希望です」と笑顔で話す。有料老人ホーム湧水館でケアアシスト職として働く黒く澤さ信の子こさん(75歳)は、早番の7時から13時までを担当し、月20日間勤務している。ことを意識したのは、母親の介護をもっと自分で行いたいと思ったことがきっかけで、当時、たまたま同社の求人を知り応募したという。「69歳の未経験者ではダメだろうと半ばあきらめて受けたのですが、採用していただけました。社内講習で介助の仕方を教わり、徐々に覚えていくことができましたし、このホームで母を世話することもでき、たいへんありがたかったです」と話す。黒澤さんの仕事は、入所者のバイタルチェック、お茶出し、朝食準備、食事介助、交替で入所者の部屋の掃除、トイレ介助、見守り、入浴準備、昼食準備など多岐にわたる。「『ありがとう』という言葉をかけていただくと、ますます意欲がわいてきます。ここは働きやすい職場で、辞めたいと思ったことは一度もありません。家族からも、『活き活きしているね』といわれています」と黒澤さんは明るく話す。(6)今後の課題高齢職員に長く働いてもらうために、身体と認知機能のテストを定期的に実施することを検討している。企業としての管理体制の強化や、職員の持つ能力を最大化できる仕事の提供(職種変更)に反映していきたい考えだ。また、定年制の廃止により、職員に「いつまでも働ける」という安心感を与えることができた一方で、自分で退職時期を設定し、そこに向かってパフォーマンスを維持していくことが求められる職場となった。統括マネージャーを務める河か合あ晃こ司じさんは、「現在雇用している高齢職員の多くは、山登りをしたり、健康に気を遣ったり、学び続けている人が多いのですが、将来を考えた場合、若手職員が自分でいまから何をしていくのがよいかを計画的に考え、自分のキャリアビジョンをイメージできるキャリアコンサルティングの実施も検討しています」と話す。河合統括マネージャーは、自らキャリアコンサルタントの資格を取得して、その準備を始めているそうだ。なっている。渡邉統括介護主任は、「それぞれの人生経験や、仕事をする後ろ姿から、学ぶことがたくさんあるといつも感じています。教科書では学べないことが多くあるので、若手職員にも学んでもらうとともに、高齢職員にもそういう存在であることをこれからも伝え続けていきたい」と話す。河合統括マネージャーも高齢職員に対し、「責任感や仕事に対する考え方を若い職員に伝えていってほしいと願っています。そして、いつまでも元気で、地域社会の一員として働いていてほしい」と期待している。日の山登りが、世代間交流の機会にもなっている。活動機会を増やし、そうした触れ合いもさらに大切にしていきたいと考えている。高齢職員は、同社にとって欠かせない存在と職員有志で取り組む職場周辺のゴミ拾いや休統括マネージャーの河合晃司さん2369歳のときに未経験で入社した。介護職に就く
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