うか かずまう人もいる。そのようなときはまずゆっくり休養をとってもらい、復帰に向けての話合いを行っている。本人の同意のもと、総務部が家庭訪問を実施し、部署の異動・短時間勤務・日数制限を提案し、本人の希望とすりあわせて勤務形態を決めるといった、柔軟な対応をしている。経営トップより「年間最低10日以上の有給休暇取得」という指導を行い、取得率は、2020年から2021年にかけて16%増、また、業務改善により時間外労働は2018年から2021年にかけて、43%減少している。社員の健康増進活動では、毎朝のラジオ体操や健康アプリの導入により運動量に応じたポイントを付与し、体力向上を図っている。こうした健康増進活動やさまざまな取組みが評価され、「三重労働局令和4年度ベストプラクティス企業」に選定されている。また、両事業部それぞれで安全衛生委員会の活動を行っており、建設事業部は、月1回の安全衛生パトロールと委員会、福祉事業部は、月2回の委員会を開催している。そのほか「厚生労働省委託事業の安全衛生管理セミナー」を受講するなど、積極的に安全衛生と事故防止に取り組み、「2023健康経営優良法人」や「三重とこわか健康経営カンパニー2023」の認定を取得している。令和2年度働く高齢者のため毎年春には、レクリエーションやバーベキュー大会を実施し、建設・福祉の両事業部の交流を図っている。そのほか、福利厚生施設として、会社でリゾートマンションを3室所有しており、多数の社員が利用している。(4)その他の取組み社長の「地域へ貢献する」という考え方からさまざまな地域貢献活動を行っており、事業所周辺の水路の土砂上げや側溝の清掃、草刈りや樹木の伐採などを、同社の高齢社員が中心となり行っている。また、近隣の宇治山田商業高校の職場実習の受入れを継続的に行っている。直接の雇用にはつながっていないものの、建設業と福祉事業という高校生にあまりなじみのない業種の職場実習は、地域の高校生の視野を広げることに役立っている。(5)高齢社員の声 品質安全管理部の日ひ髙だ和か夫おさん(68歳)は、「建設会社において品質と安全はもっとも重要な要素です。その重要な業務を任されているという責任感もありますが、やりがいは非常に大きいです」と話す。介護職員の田た中な洋よ司じさん(71歳)は、「この会社は、福祉厚生がしっかりしていて、社員の話をじっくり聞いてくれるのでとても安心感があります」と話す。同社にとって、全社員が大切な仲間であり、▼安全衛生の取組み▼福利厚生の充実(6)今後の課題宝である。仲間を大切にしていくことが会社の発展につながり、地域社会への貢献と考えている。これからも全社員が活き活きと働いていける会社にしていくため、健康管理や職場環境をさらに改善し「三重県で一番社員にやさしい会社」を目ざしていく。介護職員の田中洋司さん(71歳)(写真提供:株式会社石吉組)品質安全管理部の日髙和夫さん(68歳)(写真提供:株式会社石吉組)27
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