綾瀬市役所1階にある「アクティブ・シニア応援窓口」は、その名の通り高齢者を応援してくれるところでした。縁があるというのはこういうことかと思いました。応援窓口のコーディネーターのおかげで、2022(令和4)年7月に障害者福祉施設の清掃の仕事に就くことができました。毎週金曜日から日曜日の週3日、朝8時半〜12時半まで、4時間の勤務です。モップの扱いには慣れましたが、プラスアルファの業務として行っている、施設に入所されている方の洗濯物の整頓の作業はなかなか慣れませんでした。乾燥が終わった洗濯物をそれぞれのかごに入れていくのですが、10時までに終えなければならないので、大げさかもしれませんが時間との戦いです。最初は、入所者の方と距離の取り方がわからず失敗の連続でしたが、介護関係の仕事を長く続けている妻がいろいろアドバイスしてくれていたので心強かったです。清掃中に入所者の方と顔を合わせる機会もあり、笑顔を見せてくれる人もいて、自分の仕事が少しは役に立っているのかとうれしくなりました。何よりも高齢でも働ける場があるということが幸せで、仕事もだんだん慣れてきましたから、これからもがんばって続けていきたいと思っています。清掃の仕事は週3日だけでしたから、自分はもう少し働けると思い、またコーディネーターのお世話になりました。仕事を増やすというより社会参加への思いが強かったのかもしれません。アクティブ・シニア応援窓口は就労だけではなく、趣味やボランティア、社会参加を通じて高齢者が地域のにない手になれるように背中を押してくれます。私が紹介してもらったのは、綾瀬市で初めての地域密着型通所介護事業所「ワークステーション蒼■組」でした。これは、2019年に設立された一般社団法人インクルDが昨年10月に開設した施設です。ここで運転手の欠員があるとのことで、幸いにも雇っていただき、いまは週1回、水曜日に送迎を担当しています。蒼組では、私の仕事は、メンバーを自宅から施設へ送迎するだけではなく、有償ボランティアの現場や農耕作業などの現場に送迎することも含まれています。また、最近ではインクルDの活動に注目する人が増え、見学に来られる方も多く、その方たちの送迎もしています。「働くデイサービス」という言葉を初めて知り、私自身も新鮮な驚きがありましたが、見学に来られた方たちは、介護される人自身が有償ボランティアを通じて社会の役に立つというコンセプトに感動されるようです。全運転を心がけています。この7月にはインクルDの石■橋■正■道■代表のすすめで「福祉有償運送運転者講習」と「セダン等運転者講習」の受講を終え、修了証を取得しました。地域で外出支援の要請があれば少しはお役に立てるかと思います。石橋代表から勉強させてもらうことがたくさんあり、蒼組も大切な場所になりつつあります。かる重要なお仕事です。オフの日にはしっかり体を休めるとともに心をリラックスさせた後は、働ける喜びをかみしめながら、万全な心身で職場に向かいます。入所者〟のことを■メンバー〟と呼んでおり、もともと運転は大好きですし、何よりも安高齢者介護事業所での運転は、人の命を預■■■■■■斉藤さんが現在暮らしている綾瀬市は、独自の取組みとして、「アクティブ・シニア応援窓口」を展開している。高齢者がつちかってきたノウハウを地域に活かしてもらおうと2015(平成27)年に立ち上げられ、就労はもとより、社会参加のマッチングも行っている。清掃の仕事に就いた3カ月後、斉藤さんは、もう一つ働く場所を開拓している。当初は体の負担が大きかった清掃の仕事だが慣れてくると自分の体に余力があることを感じ、再びアクティブ・シニア応援窓口をノックした。人生は挑戦の連続だれかの役に立てる喜び39エルダー高齢者に聞く
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