エルダー2023年11月号
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1有期労働契約を締結している場合、その合計の期間が5年を超えた場合は、当該更新された労働契約の期間中であれば、有期から無期に転換する権利(いわゆる「無期転換権」)を労働者に与えています(労働契約法第18条)。これは、有期労働契約が長期化するなかで、実態として正社員に近づいていたり、有期労働契約の不安定さを維持することが適切ではなくなっていくことから、5年を超えた有期労働契約については、無期労働契約へ転換する権利を付与することとされています。いような有期労働契約とすることで、無期転換権が発生しないようにするために、更新回数または更新期間に上限を設定するということが行われてきました。換権を形骸化することができるというのは不合理に感じられるところであり、使用者からすると非正規雇用は雇用の調整弁としての位置づけもあり、調整弁として機能しなくなってしまう無期転換権を避けることは経営上の判断としては取らざるを得ない選択肢でもあったかと思います。この制度が導入された当時、5年を超えな労働者からすれば、上限設定だけで無期転有期契約社員の契約更新の上限設定と、無期転換権発生の関係について教えてほしい有期労働契約の無期転換権更新期限の設定自体は、契約更新を期待させないようにするための一要素として意味があるものであり、そのこと自体が違法というわけではないと考えられます。ただし、契約内容と異なり上限設定が形骸化するような説明や実態がある場合は、上限を設定していたとしても更新する義務が生じることがあります。Q1契約社員の更新期限を5年に満たない範囲で設定しています。5年を迎えようとしている社員から「無期転換権を発生させないような制度で、違法なのではないか。労働契約を更新して、無期転換権を行使したい」と求められていますが、応じなければならないでしょうか。 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。第66回 契約更新回数の上限の意味、継続雇用希望の意思表示方法2023.1144弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲A知っておきたいA&A 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q労働法

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