エルダー2023年11月号
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 3目的=ゴールを設定した後に必要な「ベイビーステップ」と「スモールゴール」取引先との人間関係構築力に優れた年配の営業マンが優秀な成績を上げていましたが、コロナ禍で状況が大きく変わりました。会食などの直接的なコミュニケーションの機会が減り、オンラインでの営業が中心となったことで、インターネット環境に詳しく、取引先のニーズに的確かつ即座に情報を提供できるパソコン操作に長けた若手社員が成績を上げ始めたのです。なかには、新しい営業スタイルになじめない社員を別部署に異動させた、という話も聞きます。すべての職種がそうだとはいいませんが、現在の知識やスキルが10年後も通じるかといえばむずかしいでしょう。石田 「何を学ぶか」を決める前にまずやるべきことは、自分の「経験の棚卸し」です。これまでやってきた仕事をふり返り、いまの自分にはどんなスキルが身についており、どのくらい評価されているのか。周囲の声などを参考に整理してみましょう。そのうえで、5年後、10年後にいまの自分のスキルが活かせるのか、足りないものは何かを考えて整理し、そこから逆算して、学ぶ「目的=ゴール」を設定します。ゴールに向かって継続的に学び続けるためには、行動を習慣化する仕組みをつくることが重要になります。そこで必要なのが「スモールゴール」です。最初の一歩は「ベイビーステップ」、つまり赤ちゃんでも超えられるような低いハードルから始め、少しずつ目標を上げていくのです。すが、それまで20年以上運動をしたことがありませんでした。一念発起して「フルマラソンを走る」というゴールを設定し、最初は「週に2回、20分歩く」というところから始めました。しかも朝10分、夜10分でもいいのです。これができたら、次は「20分のうち5分間だけゆっくり走る」ようにし、徐々にハードルを上げていきます。という達成感を与えること。この達成感が、行動の継続につながるのです。その結果、運動を始めてから半年後にフルマラソンを完走、その半年後にトライアスロン、さらに半年後に100キロマラソンを完走、練習をスタートしてから2年後には、サハラ砂漠で2じつは私は45歳からマラソンを始めたのでここで大切なのは、自分自身に「できた」―職業人生が長く続くことを考えると、リスキリングが重要になりますね。一方で、リスキリングの重要性は理解しつつも、最初の一歩がなかなかふみ出せないという人も少なくありません。エルダー

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