DXは単なる業務の効率化ではない人事分野のDX推進は重要性が増していくl TransfHRDXとは、HR(Human Resource)とDX(Dgわせた用語です。HRDXの話に入る前に、まずはDXとは何かについて押さえておきましょう。近年、報道や仕事をするうえでDXという用語を聞く機会は多いと思います。DXの定義は〝データやITシステムを使った業務効率化〟といった説明も見られますが、経済産業省は『デジタルガバナンス・コード2・0』※1のなかで「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としています。業務効率化にとどまらず、ビジネスモデルや仕事の仕方、組織までも変革することまで見すえている点が大きなポイントです。会社の理念や存在意義をもとに、中長期的な会社やビジネスのありたい姿(理想)を設定し、理想と現状の差分を解消する一つの〝手段〟としてデータやITシステムを活用することが重itaormation)を組み合① 人事のIT化の後れ…ITへの投資をして② 人事の業務が属人化…人事の多岐にわたる③ 人事施策の感覚的実施…人の能力や適性な要です。しかし、DXの推進そのものを目的にしてしまうと、やってみたものの思ったほどの効果がみられないとして、DXの取組みが頓■挫■してしまいがちになるため注意が必要です。思います。HRは人的資源※2や人材をさすため、人事領域にかかわるDX(人事DX)といえます。わざわざ人事領域にフォーカスしている背景には、人事業務や人事部門ならではの次のような問題があるからです。それでは、HRDXについてみていきたいといる会社でも、収益向上に直接かかわらない人事に対する投資は後回しになりがちになっている。業務(給与計算・労務管理・採用など)を少人数でになっており、担当者しか業務を把握できない状況になっている。どの数値は図りにくく、人事部門に数値的な成果を求められることが少なかったため、経験則に基づく感覚で人事施策を行ってしまう。 i■※1 デジタルガバナンス・コード…… 企業のDXに関する自主的取組みをうながすため、デジタル技術による社会変革をふまえた経営ビジョンの策定・公表※2 人的資源……経営に不可欠といわれている資源であるヒト・モノ・カネ・情報のうち、ヒトにかかわる部分といった経営者に求められる対応をまとめたもの。2020年11月策定、2022年9月に改訂2023.1150株式会社グローセンパートナー 執行役員・ディレクター 吉岡利之 人事労務管理は社員の雇用や働き方だけでなく、経営にも直結する重要な仕事ですが、制度に慣れていない人には聞き慣れないような専門用語や、概念的でわかりにくい内容がたくさんあります。そこで本連載では、人事部門に初めて配属になった方はもちろん、ある程度経験を積んだ方も、担当者なら押さえておきたい人事労務関連の基本知識や用語についてわかりやすく解説します。第40回「HRDX」■■■■■■■■いまさら聞けない人事用語辞典
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