エルダー2023年11月号
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https://fujieanyokohamaonomisenomikatang-syoukaでき.cli.pi-.j有限会社富士クリーニング商会TEL:045(322)6245さまざまな機会を通じて技術を教える(撮影・福田栄夫/取材・増田忠英)ぐの生地をアイロンを使って縮めたり伸ばしたりすることで、立体感を生み出しています。その技術を学ぶことで、水洗いした後の洋服を元通りの姿に仕上げられるようになりました」現在は、洗った服を型に着せて中から出る蒸気で形を整える立体プレス機があるが、それだけでは不十分で、その後さらにアイロンで手直しをすることで、元通りの姿に復元させることができるという。場合によっては、服の寸法をあらかじめすべて採寸してから水洗いし、寸法通りに復元することもあるそうだ。「お客さまに『お宅で洗った背広を着ると、袖を通したときに気持ちがいい』と喜んでいただきたい、その一心でやっています」田中さんは、東京都と神奈川県の個人クリーニング店の有志による勉強会「ダイヤモンドスリーム会」を結成し、現在は会長として、若い世代に技術などを教えている。また、横浜マイスターとして、中学生の体験授業の講師を務めたり、一般向けの教室やデモンストレーションなどでアイロンのかけ方などを教えることも多い。「教えることは自分にとっても復習になるよい機会です。アイロンのかけ方を教えて『わかった』、『やってみる』なんて反応がもらえると、やはりうれしいですね」店では、息子の秀ひ幸ゆさんが後継者として、父を目標に研鑽を重ねている。田中さんはその姿を間近に見ながら、顧客に喜ばれる四代目に育つよう、大きな期待を寄せている。戦後、田中さんの父が開業した「有限会社富士クリーニング商会」水や溶剤を噴霧する専用の機械を使い、生地を傷めずにシミ抜きを行う「父を目標に、さらに技術のレベルを高めていきたい」と話す秀幸さん令和元年度の「横浜マイスター」に選定された染色補正に用いる染料と筆。染料は、服の元の色に調合する。筆は補正する面積や色によって使い分けるクリーニングに不可欠な道具の一つ、アイロン。ダイヤルで温度を設定できるようになっている(右から)息子の秀幸さん、秀幸さんの妻・智とも子こさん、田中さんの妻・八や重え子こさん。4人で店を運営。全員がクリーニング師の国家資格を取得している63エルダー vol.333

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