おわりに~20%未満」(25・1%)、「20%~30%未満」(18・6%)です(図表3・4)。定年後に、新たな就職先を探すのは容易ではありませんが、中高年男性のなかには、将来のセカンドキャリアの道が開ける人もいると考えます。企業側にとっても、中高年男性が副業・兼業にチャレンジすれば、新たに獲得したスキルやネットワークが本業に還元されることが期待できます。さらに、副業・兼業先は、必ずしも企業だけとはかぎりません。2022年10月には、「労働者協同組合法」が施行されました。この法律は、「協同労働」の理念を持つ団体のうち、同法の要件を満たす団体を「労働者協同組合」として法人格を与えるとともに、その設立、管理などの必要事項を定める法律です。「協同労働」とは、働く人が自ら出資し、事業の運営にかかわりながら事業に従事する働き方です。組合員はみんなフラットな関係性で、組合の「出資」、「経営」、「労働」のすべてをになえます。地域社会で必要とされる仕事をすることが中心になっていますので、地域課題の解決に貢献できるやりがいを味わったり、地域のなかで豊かな人間関係を広げていったりすることもできます。いままでのスキルをベースに、労働者協同組合で副業・兼業をするという働き方は、中高年男性の活躍につながるのではないでしょうか。本稿では、「“ポスト高齢者”であるミドル世代を取り巻く現状」として、東京圏の高学歴中高年男性の労働価値観の現状をふまえて、仕事への意欲が活かされていないこと、再就職への不安、副業・兼業を通じた施策について述べました。中高年世代の働く意欲を活かしていくためには、キャリア研修およびキャリアに関する相談機会の提供や、副業・兼業の解禁をはじめとした多様な働き方の選択肢を増やしていくことが必要だと考えます。さらに、今後は、世の中の女性活躍推進の流れを受けて、定年まで勤める女性も徐々に増えることが予想されますので、それらの施策は、中高年女性の活躍をうながすうえでも重要だといえます。等に歳をとり、歳をとれば自分を変えることはむずかしくなります。そのため、中高年からは自分を変えようとするのではなく、「深化」と「進化」に注力することが大切だと考えます。これまでの経験や価値観、感性など、自分がいま持っているものに焦点をあてて深化させつつ、同時に、それを活かす場や手法を広げることによって、活躍の場を広げていくのです。世の中には「自分を変えよう」というメッセージに溢れている感がありますが、高齢になったら、あえて自分を無理に変えようとせず、この二つの軸を同時に進めてみてはいかがでしょうか。一方で、個々人に目を向ければ、だれもが平20%~30%未満20%~30%未満10%~20%未満10%~20%未満18.6%18.6%25.1%25.1%関心があり、週1日程度は関心があり、週1日程度は副業・兼業を行いた副業・兼業を行いたいい副業・兼業を副業・兼業を行うことに行うことに関心はない関心はない33.6%33.6%関心があり、週2日程度は関心があり、週2日程度は関心があり、業務時間以外の関心があり、業務時間以外の時間(退社後や休日)を時間(退社後や休日)を使って副業・兼業を行いたい使って副業・兼業を行いたい15.9%15.9%関心があり、週3日程度は関心があり、週3日程度は副業・兼業を行いたい 6.0%6.0%副業・兼業を行いたい60%超60%超5.0%5.0%50%~60%未満50%~60%未満2.4%2.4%40%~50%未満40%~50%未満3.4%3.4%30%~40%未満30%~40%未満6.8%6.8%0%~10%未満0%~10%未満24.7%24.7%19.7%19.7%38.8%38.8%n=1,794n=1,794副業・兼業を行いた副業・兼業を行いたいいn=1,191n=1,19110出典:株式会社日本総合研究所「東京圏で働く高学歴中高年男性の意識と生活実態に関するアンケート調査結果(報告)」出典:株式会社日本総合研究所「東京圏で働く高学歴中高年男性の意識と生活実態に関するアンケート調査結果(報告)」図表3 副業・兼業を希望する日数・時間(給与が削減されるという前提)図表4 副業・兼業を行うことによる給与減額の許容割合5
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