エルダー2023年12月号
16/68

04おわりにいかなどの助言をもらうことも有益です。もちろん、上司の方にはこのような体験だけではなく、理論としてもキャリア面談の重要性について理解していただく必要があります。コミュニケーション、傾聴の重要性、仕事の意味づけなど、キャリア面談の場だけではなく組織の長として必要なスキルを学ぶことが重要です。・女性社員向けの支援が施行され、定年を迎える女性がどんどん増えていく時代となっています。これまではミドル世代=男性というイメージでしたが、今後大きく変わっていきます。女性のための取組みはもちろん、男性のライフプランも多様化しているなか、これまでの男性中心のファイナンシャルプランや働く時間の例示、仕事ベースのライフラインチャートを使った自己理解など、研修内容をいま一度見直してみる必要があると感じます(図表3)。気づきの場から、持続的な成長をサポートする施策群の一つにシフトしていく必要があります。業で社外でも活躍し、そして将来は社会にも貢献できるようなキャリアを支援していく「きっかけ」となるキャリア研修を行うことも、人的資本経営の時代に求められる“個の成長と企業の成長”の実現につながると思っています。外-社会”です。社内で活躍し、また越境や兼1986(昭和61)年に男女雇用機会均等法これからのキャリア研修は、単なる一時的な人生100年時代、キーワードは“社内-社・上司向けキャリア支援キャリアを考える風土をつくっていくことは非常に大きなテーマだと思いますが、まずその一歩として、一番身近にいる上司によるキャリア支援が重要です。多くの上司の方は、これまでキャリア支援を受けたことがないケースが多く、そのような方に「部下のキャリア支援をしてください」、「部下とキャリア面談を行ってください」という仕組みをつくったとしても何をしたらよいのかわからない、というのが本音だと思います。例えば、前述のキャリア研修のダイジェスト版の動画を見ることで、少なくともキャリア研修ではどのようなことを行っているのかを知ることができます。これまではキャリア研修から戻ってきた社員に何と声をかけたらよいのかわからなかった上司も、「〇〇さんのWillについて何か見えた?」といった会話を始めることが可能です。上司自身に、一度キャリア相談を受けてもらうことも一案です。実際に相談にのってもらうことで、キャリア相談の雰囲気や流れを把握することができます。またキャリア相談の時間を長めに設定し、前半は上司自身のキャリア相談を行い、後半ではこれからキャリア面談を行う部下を事例にして、プロのキャリアカウンセラーからどのようにキャリア面談を進めたらよ1426262020181815151515454141393938383737自社としての、シニア層に対するキャリア支援方針の明確化継続雇用を前提とした、モチベーション向上のためのプログラムセカンドキャリアに関する研修個別のキャリアカウンセリング・キャリアコンサルティングスキルアップ研修やリスキリング研修年齢に関係なく、昇進や新しい仕事に抜擢する機会ロールモデルとなる女性社員の紹介50歳以上の女性社員が中心となって活躍できる社内職務開発・職場開発50歳以上の女性社員を対象としたライフプランやマネープラン研修50歳以上の女性社員を対象とした健康推進施策出典:日本CHO協会「50歳以上の女性社員へのキャリア支援」に関するアンケート結果(2022年)20(件)304050図表3 50歳以上の女性社員へのキャリア支援について◆これから特に必要になると考える取り組み(複数選択)10

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る