プレシニアのキャリアデザインを支援会社に依存し︑現状に満足するシニア前半から義務づける住友商事株式会社(東京都千代田区)住友商事株式会社は、日本国内20カ所、海外109カ所に事業所をもつ総合商社。同社グループは、国内・海外の地域組織が連携し、グローバルに幅広い産業分野で事業活動を展開している。2019(令和元)年に、同社は創立100周年を迎え、新たな100年に向けてふみ出している。同社では、50歳から65歳までをシニア、45歳から50歳までをプレシニアと呼んでいる。従来、おもにシニアを対象にキャリアデザインセミナーなどのキャリア開発支援を行ってきたが、ここ数年はプレシニアをターゲットとしたプログラムを導入するなど、より早い時期からのキャリアデザインをうながす施策に力を入れている。taguAmbnty(不確実性)・Compity(曖昧性)の頭文字をとった語で、対象年齢を引き下げた理由について、キャリアデザイン担当の茂も木ぎ敏と男お人事部部長代理は、「VUCA(ブーカ)の時代、そして人生100年の時代に、50歳からキャリアを考えるのでは遅すぎる」と語る。VUCAとは、Voatility(変動性)・Uncer前例や過去の成功例に基づいたやり方では通用しない社会に突入していることを意味する。「想定外のことがいつでも起こりうる時代。しかも65歳で完全退職したとして、その後30年以上も生きる時代を迎えています。シニアになったからといって安住の地が約束されるわけではなく、つねにキャリアについて考え、学び続け、自らをアップデートしていくことが求められます。そのような姿勢の重要性に、シニアexity(複雑性)・になる前から気づく必要があります」(茂木人事部部長代理)として、さまざまなキャリア開発支援の取組みを展開している。まず、それらの背景となる、同社におけるシニアの状況について概観する。約1520人。プレシニアとシニアで社員全体の4割を占めている。定年は60歳で、65歳までの嘱託再雇用制度があり、シニアの数は今後も増え続けていくという。遅れることだ。会社が、増えるシニアをただ抱え続ける余裕はないので、人材活用のため、少同社ではおもにプレシニアからシニアを対象プレシニアの社員数は約560人、シニアはそれが引き起こす問題の一つは、新陳代謝がiillてし15特集ミドル世代から始める 生涯現役時代のキャリア研修エルダー事例1130代キャリア開発プログラム受講を
元のページ ../index.html#17