コンサルタントが1年間伴走して個人を支援加える。「初年度の2021年は年間5回実施しましたが、年々回数が増え、今年度は7回になりました。任意参加で、初年度の参加者は多くても100人前後でしたが、今年度は200人や300人を超える回もあります。リピーターが多く、シニア世代の15%ほどが毎回申し込んでいます」●SBCキャリア開発プログラム2022年度から、30代(30~35歳)・40代(40~45歳)・50代(50~55歳)を対象に、一方通行の講義だけでなく、グループセッションや講師との対話も取り入れた研修プログラムを導入した(オンライン形式で実施)。名称は「SBCキャリア開発プログラム」で、SBCは住商ビジネスカレッジの略称である。SBCでは同社のOFFしており、キャリア開発プログラムはその一環として位置づけられている。「それぞれ該当する年齢になったら早めにとうながして、受講を義務づけています。キャリアデザインセミナーは動機づけや情報提供が中心ですが、このプログラムでは、参加者同士で話し合ったり、間を空けて2日目を設定しふり返る機会を設けたり、研修の効果が受講後も持続し、行動変容につながるよう、組み立てを工夫しています」(加来人事部課長代理)研修のねらいは、30代・40代では、自身のキャリアをふり返ることを通じて、将来のありたい姿を明確化させ、今後どのようなスキル・経験が必要かを考えること、50代では、60歳以降の働き方について早期にイメージを持ち、自身のキャリアや組織内での役割を考え、これまでに蓄積したキャリア資本のアップデートを図ることとしている(図表)。そして、「キャリア自律開発支援パッケージ」JT研修を体系的に企画・提供の一つとして、2021年には50歳以上を対象とした「ネクストキャリア支援サービス」をスタートさせた。これは、希望するシニアに、外部のキャリアコンサルタントがネクストキャリアを考えるための伴走者としてガイドをするもの。50歳からは早期退職制度の対象となるが、このプログラムは退職を前提としていない。本人が希望し、上司の承認を得ることで、業務と両立しながらサービスを受けることができる。費用は会社負担だ。発見、目ざすキャリアの明確化、必要な学び直しの内容、多様な選択肢への気づきなど、具体的な内容は個別にカスタマイズされ、キャリアコンサルタントから1年間、継続的にコーチングを受ける。その結果、転職や独立起業に向かうことがあってもよいし、会社に残ってもよい。このように1年間キャリアを考えたうえで会社に残る選択をした人は、以前よりも職務エンゲージメントや組織エンゲージメントが高まっているはずなので、会社にとっても上司にとっても、歓迎すべきことだ。けたが、離職・転職したのは1人だけで、それ以外は同社に残っているという。自分のキャリアの棚卸しから始まり、強みのこれまでに20人のシニアがこのサービスを受-17〈図表〉 キャリア開発プログラムの目的・ねらいと内容●30代(30-35歳)・40代(40-45歳)《研修目的・ねらい》 ・ 自身のキャリアをふり返ることを通じて、将来のありたい姿を明確化させ、 今後どのようなスキル・経験が必要かを理解・行動する。・ 実践期間のふり返りを行うことで、日常的にキャリアを考える一助とする。《プログラム》Day1: 13:00~17:30 ①自分らしさを発見/表現する(モチベーション・価値観の把握) ②ケーススタディ(キャリア戦略考察) ③キャリア戦略シェアと会社資産の客観視 ④周りとの関係性、組織のキャリア機会を探る Day2 :10:00~11:30 実践期間のふり返り●50代(50-55歳)《研修目的・ねらい》 ・ 60歳以降の働き方について早期にイメージを持ち、自身のキャリアや組織内での自身の役割を考える。・ また、これまでのキャリア資本をふり返り、今後どのようにアップデートを図るかを考える。《プログラム》9:30~17:00 ①ライフシフトの重要性を認識する ②モチベーションの源を知る ③価値観(Will)を棚卸しする ④ライフシフトビジョン(Will)を描く ⑤強み(Can)を棚卸しし、更なる強化を考える ⑥ベテランの役割/立ち位置/スタンスを考える ⑦自己PR力を高めるためのヒントを学ぶ⑧今後のアクションプランを考える資料提供:住友商事株式会社
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