面談をきっかけにキャリア相談へとつなげるリスキリングを充実させ学ぶ機会を創出人事部と人財開発部が一体となって、管理職も含めて15人で担当した。オンラインによる1on1方式で、1回30分。担当者1人につき30人から50人程度と面談したことになる。齋藤専任課長自身も2022年度は約50人と面談したという。「研修の記憶が薄れないうちにスピード感を持って行うため、研修が終わった1カ月後に面談を始められるように計画しました。2022年は研修が一番早く終わったのが12月でしたので、面談は2023年1月から開始しました」と齋藤専任課長。最後の研修が2月中旬に終わり、最終的には3月末までに対象者全員の面談を終了することができた。面談の基本は傾聴であり、研修で作成したアクションプランを実現するとしたら、それに向けて「何を」、「どう着手していくのか」、「いまどの程度進めようとしているのか」など、担当者と被面談者との間の対話を通じてキャリア形成をうながしていくきっかけづくりが主眼となっている。アクションプランには個人情報も含まれるため、面談では秘密を保持したうえで、被面談者から情報を共有された場合にかぎり、「では具体的にどこから始めますか?」、「そのために何が必要だと思いますか?」など、対話を通じて内省をうながしていく。「30分という短い時間なので、『こんな感じで自分のキャリアを考えていこうかな』という小さな契機になってくれれば、と思っています。答えは私たちが持っているのではなく、ご自身のなかにあるのです。例えば同じ立場の人でも、志向は異なります。そういった部分をふまえ、自分のなかにある答えを見いだすお手伝いをすることがわれわれの役割です」と齋藤専任課長は、面談における傾聴の重要性を強調する。キャリアデザイン研修・面談に対する社内での評判はおおむね良好であった。まったくキャリアについて考えたことがなかったり、自身のキャリアをふり返った経験のなかったりする社員たちから、「研修と面談を受けて、自分のいままでのことやこれからやっていきたいことが、より言語化できてわかりやすくなった」といった声や「何をしたいか、すべきかを考えられるよいきっかけになった」という声が聞かれたという。「このキャリアデザイン支援で、漠然としていたものがある程度見えてきた方が多いのだと思います。もちろんはっきりと見えるに越したことはありませんが、やはり最初のステップですので、そこに気づいていただくことが重要でした」(齋藤専任課長)4月から、50代以上の社員を対象としたキャリア相談窓口を設置。キャリアデザイン面談でキャリアについての相談をしてきた社員のために、さらに手厚く支援するための体制も整え始めている。されたライフプラン、キャリアプランを実現するために必要となるのがリスキリング(学び直し)だが、同社ではどのような支援がなされているのだろうか。「社内での研修ラインナップをお伝えしたり、自己啓発を行いたい社員には、会社で取りまとめて、外部の通信教育会社に申込みをするなどで対応しています。決まった期間内に修了した社員には、一定の割合で会社が費用を負担する制度なども設けています」(上田専任課長)キャリアデザイン面談中の話の流れによっては「こういった研修をおすすめしますがどうですこうした結果を受けて、同社では2023年キャリアデザイン研修・面談を通じて導き出もちろんこれも本人の希望が優先であるが、21
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