エルダー2023年12月号
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シニア層の働きがい向上に向けミドル世代向け支援の充実を図る会を設置。各分科会において議論・検討をしながら、現場の「生の声」を吸い上げたところ、①では、賃金・賞与水準への不満、チャレンジできる役割・環境、体力・健康維持などが顕在化、②では、キャリア目標達成度、能力の十分な発揮、知識・情報の共有・活用、③では、役割分担があいまい、年長者とのコミュニケーションの取り方、部下指導とハラスメントの区分、などが雅ま史し人事部長は次のように話す。課題としてあげられた。その解決のため、部門横断の取組みを展開している(図表2)。シニア層の働きがい向上に向けた取組みの一環として、同社では2022年4月より定年年齢を60歳から65歳へ引き上げた。現在、社員の高齢化が進行しており、2030年には60代社員が1000人を超え、従業員の3人に1人がいる。会社の持続的成長のためにも、シニア層のいっそうの活躍促進は不可欠といえる。梅う田だ「シニア層がより働きがいを持って活躍できる環境整備の推進のため、当社ではさまざまな施策に取り組んでいます。とりわけ、シニア期を控えたミドル・ベテラン層に対する施策は、シニア期の働きがい推進の視点からみても、重要なポイントです」そこで同社では40代、50代のミドル・ベテラン層を対象に、「キャリア」と「ライフ」の二つの視点から研修を開催し、働きがいを持ってシニア層へ移行してもらうための支援に取り組んでいる(図表3)。キャリア支援の取組みでは、45歳の社員を対象に、「定年まで折り返し地点にすぎないからこそ継続的にモチベーション高く働き続けることの意識づけ」をねらいとした研修を行っている。ワークを多く設け、他者との意見交換のなかで気づきを得てもらう内容となっている。職場を離れた環境で同世代社員との対話のなかで、自分の目ざすべき方向を再認識し、さらにモチ①②③さめ現状把握・課題整理<ワイガヤ>分科会対策の立案対策実行分科会で振り返り40代40歳・健康診断・人間ドックの重要性・歯の健康・セカンドライフに向けた準備の必要性・ライフシミュレーション作成 子供養育:保険、積立・DC活用に向けた投資の知識・育児・介護の社内制度の理解ねらいセカンドライフを考えるきっかけとした健康や資産形成の意識づけキャリアライフ定年まで折り返し地点にすぎないからこそ継続的にモチベーション高く働き続けることへの意識づけこれからの働き方と豊かなセカンドライフを迎えるための資産形成と健康寿命を延ばす意識づけ45歳・キャリアの振り返り・棚卸・キャリア資本の確認・取り巻く内外環境変化の認識・未来への準備(アクションプラン)・55歳以降の仕事の取り組み方気持ちの持ち方(働き方や仕事の選択)・グループワーク(問題意識の共有・宣言)44歳・(健康推進室主催)しなやかセミナー・健康診断・人間ドックの重要性・体力年齢測定(実態把握)と改・休養・病気の話(1時間)善のための運動体験・セカンドライフのお金の備えセカンドライフ必要額の気づき社内資産形成制度の理解保険、ローン見直し・介護制度の理解(仕事との両立支援)45歳研修は事技職※を対象とし、グループ55歳以上という状況を迎えることが予測されて24※ 事技職……工場などの生産現場以外で働く非生産系職種をさすⒸ豊田合成株式会社Ⓒ豊田合成株式会社・賃金・賞与水準への不満・チャレンジできる役割・環境・体力・健康維持・キャリア目標達成度・能力の十分な発揮・知識・情報の共有・活用・役割分担があいまい・年長者とのコミュニケーションの取り方・部下指導とハラスメントの区分課題課題課題・人事・組合・技術/生産技術・製造・人事・組合・育成センター・技術/生産技術・製造・人事・組合・生産管理・製造50代55歳55歳・幅広い部署からメンバーを募り、①シニア ②若手/中堅 ③監督者の分科会を設置・ワイガヤを通して「生の声」を吸い上げ、課題解決に取組むシニア分科会若手・中堅監督者分科会図表2 働きがい向上の取組み(働きがいプラス委員会)図表3 ミドル・ベテラン層向けセミナー

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