ウェルビーイングな働き方を実現するために らしきill揮・活躍を期待し、59歳以前の人事制度を適用した仕組みとなっている。60歳以降の処遇率は国家公務員と同水準を確保しており、安心・活躍・伝承の担保を図っている(図表5)。シニア層の活躍支援に向けた取組みとしては、①士気向上、②健康・体力向上、③職場環境整備、④セカンドライフに向けた資産形成、があげられる。まず①については、上司へのマネジメント教育に取り組んでいる。人事部人事室の白し田た敏と之ゆグループリーダーは次のように話す。「シニア層の方に活躍していただくための上司へのマネジメント教育のほか、年3回の自己申告面談での対話充実、適材適所での配置を推進しています。上司・本人間で想いや希望を共有することが第一歩ですし、技能伝承など自分の役割を果たしたいという方にもっと報いていきたいと考えています」②では健康教育の実施があげられる。40代以降の社員を対象に、定年延長にともなう健康維持・管理に対して啓発活動を行っており、高脂質・高血圧リスクへの対応として、例えば日常生活でできる体操の習慣化を奨励している。また、40代以降は有給休暇扱いで無料で人間ドックの受診が可能であり、生活習慣を見直すきっかけづくりと病気の早期発見につなげている。③については、さまざまな取組みが各現場で行われている。例えば、ゴムの端材を活用し、製造現場にゴムマットを敷いて体への負荷がかからないような工夫を行っている。そのほか、自動化によるスマートファクトリーの推進など、グローバルな取組みとして、工場における負担軽減に向けた取組みを展開している。④では、資産形成をテーマとした研修を、入社時、40歳、55歳それぞれの年代に応じたカリキュラムで実施している。55歳研修では、対象となる社員の配偶者も参加することができる。現状の資産、将来必要な資産、支出をシミュレーションし、安心して老後を過ごすための情報提供を行っている。同時に、さまざまな社内制度の活用について知ってもらう機会にもなっている。22年から取り入れた「ウェルビーイング」の考え方が反映されている。ウェルビーイングは、「よい(We言葉で、厚生労働省が2019年に公表した「雇用政策研究会報告書」では、「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」であると定義されており、心身の健康状態だけではなく、キャリアや人間関係などさまざまな領域において、没頭したり前向きな感情を抱いたりすることが、ウェルビーイングな状態を高めていくことにつながる。ざし続け、安心できる居場所づくりは会社の責務」(梅田人事部長)であるとし、65歳定年制の導入、ミドル世代向けのキャリア支援などの取組みに注力してきた。る職場づくりのためにも、ミドル層のキャリア支援の取組みは、企業の持続的な成長をもたらす牽引力となるに違いない。)」と「状態(Be同社は、「シニア層が自身のありたい姿を目シニア層の働きがいを創出し、強みを活かせng)」からなる65歳定年制の導入にあたっては、同社が2026右から、人事部の梅田雅史部長、岩瀬恵理子チームリーダー、白田敏之グループリーダー
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