講義型と演習型をあわせて効果の最大化を図るミドル世代に向けた研修を行い数年後の再雇用期に備えるど、再雇用者をめぐる課題解決に直結する要望があった。大場プランナーはきめ細かな打合せを行い、ていねいなコミュニケーションに努め、研修内容の検討を進めた。大場プランナーが実施した研修の特徴は、講師が説明する講義型だけではなく、講師と受講者、あるいは受講者同士が双方向でやり取りを行うほか、個別発表を行うという演習型を組み込んだ点にある。「受講対象を55歳から59歳に設定したのは、人数を絞るというねらいもありました。講義型のセミナーの受講者数は30〜40人が一般的ですが、これでは講師との接点が薄くなります。今回は研修の効果を最大化する目的で10人程度が最適と考え、年齢層を絞った形で提案しました」(大場プランナー)カリキュラムは8時45分から17時45分まで、昼食休憩を含む3回の休憩をはさみ、八つのフェーズ(段階)を設定した講義と、四つの演習を行う。まず、研修の冒頭では、大場プランナーより「求められるエンプロイアビリティ」をテーマに、①「なぜいま生涯現役、70歳雇用か」、②「必要人材要件とは何か、仕事能力とは何か、年代ごとの仕事能力の変化」について解説し、現在ミドル世代の社員が直面している環境の詳細や研修実施のねらいを伝えた後、「仕事生活チェックリスト自己診断」を実施した。「自己診断を最初に行うことで、自分の強みと弱みを把握することができ、問題意識を持ってその後の講義を聞くことができるので、自分に必要な情報をしっかりとキャッチすることができます」(大場プランナー)午前中は講義を中心に、必要な情報を効率的かつ確実に伝えていく。フェーズ1は「業績貢献力を高める」ことをねらいとし、定年後の再雇用に向け①仕事観と企業経営の目的を考える、②経営環境の構造変化、③エンプロイアビリティとコンピテンシーについて解説を行う。続くフェーズ2〜4では、「協働力を高める」、「効率追求力を高める」、「価値創造力を高める」をテーマに仕事のあり方について解説。職務に関する目的や目標を整理して伝え、動機づけを行った。代が高齢化していく自分自身と向き合うための時間としている。「加齢変化適応力を高める」、「生涯現役力を高める」、「定年後変化対応力を高める」、「専門能力形成力を高める」を題目に、定年後、同じ仕事でも給料が下がる、あるいは役職を外れるなど、再雇用でモチベーションを下げることがないよう、いかに必要とされる人材になっていくかを説いた。ズがスタート。6人ずつのチームをつくり「業務環境の変化予測」をテーマに50代後半から自分を取り巻く環境がどのように変わっていくのか、チーム内で意見を出し合って討議し、まとめ役のリーダーが発表を行った。善計画の作成」を実施。キャリアターゲット(目標課題)を決め、各人が計画を立てた。最後に「行動革新の決意表明」として、それぞれが決意表明を行い、1日の日程が終了となった。午後に行われたフェーズ5〜8は、ミドル世八つのフェーズでの講義終了後、演習フェー続いて、自身に向き合う時間として「自己改もちろん、研修を1日行ってそれで終了という29大場宣英70歳雇用推進プランナー
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