エルダー2023年12月号
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未経験から農作業に従事して大活躍臨時職員は75歳まで継続雇用する制度を導入しています。また、短時間・短日勤務制度により、身体的負担の軽減とともに、働きながら地域での世話役などもになえる職場を実現しています。作業環境については、現場の声を聞きながら、ぶどうの枝の剪定時に使う電動剪定機や、狭い場所でも使える乗用草刈り機、夏場はファン付き作業衣、冬場は透湿防水ウェアなどを導入し、身体的な作業負担軽減を図っています。ぶどう栽培は夏場に多忙をきわめますが、その時期だけ雇用していた臨時職員を通年で雇用できるように、さといも、アイスプラントなどの生産・出荷を新たに手がけ、職域を拡大しました。また、外部のセルフキャリアドック※を活用して、将来を考える機会をつくるなどして職員のモチベーション向上につなげ、資格取得の希望者には取得費用を負担して能力向上も推進。さらに、加嶋プランナーから、健康管理制度の拡充や、有期雇用から無期雇用への転換などのアドバイスを受けて実施しました。人事労務を担当する管理課長の廣■本■康■栄■さんは、「積極的に情報を集めて、国の雇用支援制度などを活用しました。助成制度などでわからないことがあるとJEEDさんに質問して教えていただき、加嶋プランナーにも支えてもらいながら取組みを進めました」とふり返ります。吉■成■八■重■子■さん(69歳)は、48歳のときにハローこうして、無理なく働ける職場づくりに取り組んだ結果、同法人の事務局長経験者2人が知識や経験を活かしリーダー的存在として、短日勤務で活躍しています。また、トラクター作業のにない手を募集したところ、「週2日程度・午後だけなら」と希望する熟練者を採用できました。職員からは、「70歳までがんばりたい」、「仕事はハードでもストレスはない」、「無期雇用を機に意欲がわいた」などの声が聞かれています。今回は、ぶどうとアイスプラントの栽培で活躍する2人の高齢職員にお話をうかがいました。ワークで同法人の求人を知り、農業未経験で入職しました。仕事のやり方を教わりながら、徐々に野菜づくりのコツを覚え、職域拡大のために栽培を始めたアイスプラントの担当者になるほどスキルアップしました。勤続21年目の現在、無期雇用の臨時職員として、ぶどうとアイスプラントの栽培管理に従事し、月16日間、フルタイムで働いています。アイスプラントは厚みのある小さな葉とほのかに塩味がするのが特徴で、サラダなどで食されています。収穫期には、収穫と袋詰め作業、農協や里の駅などの販売先への運搬・陳列を吉成さんが1人で担当しています。通常の勤務時間は8時〜詰めをして販売先へ向かいます。アイスプラント■■■■■ぶどう畑で作業する吉成八重子さん17時ですが、収穫期は朝6時から収穫を行い、袋廣本康栄管理課長2023.1236※ セルフキャリアドック…… 企業が人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に支援を行い、従業員の主体的なキャリア形成を促進する総合的な取組み

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