エルダー2023年12月号
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前職の経験を活かして期待に応える松■川■富■貴■雄■さん(71歳)は農協を退職後、57歳■■は、栽培を開始した10年前には認知度が低く売れ行きに苦戦していたそうですが、徐々に実績が伸び、いまは追加注文があるほどです。「お客さまから『おいしい』といってもらえるのもうれしく、やりがいを感じています」と笑顔で話します。廣本管理課長は「アイスプラントは、事業として着実に成長しています。吉成さんはまじめで責任感が強く、農業未経験での入職でしたが、努力して経験を積み、当法人にとってなくてはならない存在になっています」と吉成さんを評します。また、吉成さんはぶどう栽培において「袋がけがだれよりも早い」と評判です。吉成さんは、「身体は疲れますが、土・日は休みですし、有給休暇も気がねなく取れます。働けるうちは続けたいです」と話しました。のときに臨時職員として入職しました。農協時代につちかった経験と知識を活かし、事業の柱の一つ、ぶどうの栽培管理を担当しています。ぶどう栽培は8月〜9月に収穫期を迎え、多い日は1日2トンを収穫します。シーズン後は、ハウスのビニール外し、たい肥散布、剪定、そして春にはまたビニールを張り、次の収穫に向けて芽かき、袋がけなど、作業は1年を通して続き、松川さんがその工程を管理しています。最もむずかしいのは芽かき作業で、「芽を見きわめるのがむずかしい」と松川さん。また、広大なぶどう畑の草刈りを、以前は手で持つ機械で行っていましたが、2年前に乗用草刈機が導入されて、「だいぶ楽になりました」とのこと。廣本管理課長は松川さんについて、「プロ意識が高く、みんなが頼りにしていて、それに応え続けてくれています。勤務日数が減ったとしても、身体に無理のない働き方で続けてほしいので、そのことをしっかりと伝えています」と話します。以前は週5日で働いていましたが、3年ほど前からは勤務日数を減らし月17日間、8時〜17時の勤務です。「入職時は2〜3年間勤務できればと思っていましたが、もう14年です。経験が活かせることと、この年齢でも『長く働いてほしい』といってもらえることがありがたいです」とやりがいを語る松川さん。気象状況などに左右される農業のむずかしさが身に染みているだけに、納品先のワイナリーのワインが全国で高く評価されている喜びはひとしおで、「誇らしいです」と話します。今後は、「ぶどう栽培の後継者を育ててバトンタッチできるよう、体調管理に気をつけてがんばりたい」と語ってくれました。加嶋プランナーは取材後、「お2人の仕事に対する誠実さと、設立時からのプロパー職員である廣本管理課長が、現場をよく見て職員の立場に立った職場づくりに励んでいることにあらためて感心しました。職員から見ると、自分たちのことをいつも見て気にかけてくれるという思いになり、そうしたことがコミュニケーションの取りやすい職場風土につながり、働きやすい職場を実現していると思います」と語りました。廣本管理課長は最後に、「無理のない働き方で、誇りを持って活き活きと働ける職場づくりに向けて、これからも努力します」と、今後も高齢職員の思いや意見を大事にして、長く働き続けられる雇用条件や職場環境の整備に取り組み続けていくことを話してくれました。(取材・増山美智子)乗用草刈機でぶどう畑の草刈りをする松川富貴雄さん37エルダー

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