んでできなかったの?」と聞くようにしている最後の「なんでできなかったの?」というセリフがNGと聞いて、「ホントに?」と、びっくりした方もいらっしゃるかもしれません。純粋に間に合わなかった理由や、失注した原因を知ることができれば対策を打てるので、「なんでできなかったの?」と聞くようにしている人は多いのではないでしょうか。けれどもぜひ、「この声かけが、役に立つかどうか」、「声かけの目的を達成しているかどうか」をふり返っていただきたいのです。あなたは「できなかった原因」を知りたくて「なんでできなかったんだ?」と質問したとしましょう。けれども、相手は問い詰められている、怒られていると感じ、「すみません」と謝罪が返ってきたり、「いや、これは違いまして…」と言い訳と聞こえるような返答があったり。つまり「なぜ?」、「WHY?」と人に詰め寄ると、あなたが聞きたい、課題解決につながる返答が得られるのではなく、相手の萎縮と謝罪、ときに言い訳や人間関係の悪化が得られるものとなってしまうのです。日常的に使っている言葉だからこそ、言葉ひとつ変えることの影響は積み重なって大きなものへとなっていきます。しかも、声かけの言葉は、意識的に変えていくことができます。次回「失注しました…」と部下から報告を受けたとき、どう対応するか、練習をしておくこともできるでしょう。もし、あなたの日常の声かけのなかに「罰や不安のNG言葉」が多く使われているのであれば、それらを「心理的安全性をつくる言葉」に変えるところから、心理的安全性づくりに取り組んでいきましょう。それが、「きっかけ言葉」と「おかえし言葉」です。図表1に示したように「きっかけ言葉」を使って、相手の行動をうながします。そうして起きた行動や結果を「おかえし言葉」で受けとめます。この2種類を、バランスよく使うことが重要で、多くの管理職やリーダーは「きっかけ言葉」はよく言うのですが、「おかえし言葉」は行動の直後には使われず、大きな成果が出たと出典:『心理的安全性をつくる言葉55』(飛鳥新社)イラスト/やまねりょうこ多様な人材を活かす多様な人材を活かす41出典:『心理的安全性をつくる言葉55』(飛鳥新社) イラスト/やまね りょうこエルダー図表1 「きっかけ言葉」と「おかえし言葉」心心理的的全全安全全性性のの高い職場づくり心的全高い職場づくり2声か「けきのっ言か葉けは大言き葉く」と2「種お類かに分え類しで言き葉ま」す。きっかけ言葉で行動をうながすおかえし言葉で受け止める
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