いつまでも年をとらず長生きする「不老長寿」は、人類の永遠の夢だといわれる。年をとることに、あまりよいイメージがないからだろう。しかし、科学的見地をもとにしたデータによると、老いることは必ずしも不幸ではないという。本書は、「60歳からも幸せな生活を続けること」をテーマに、人間関係、お金、仕事、生きがい、健康などの切り口から、「幸福学」と「老年学」のデータをもとに、そのヒントを解説する。幸福を科学的手法で評価する幸福学と老化や長寿について研究する老年学をかけ合わせることにより、幸福感が高齢者の寿命に深くかかわっていることや、人のためにお金を使うと自分も幸せになること、健康寿命を超えても幸せな老後を過ごせることなど、これまであまり知られていなかったできごとも紹介されている。シニアの幸せのカギとしては、「つながり」をあげている。例えば、男性の育休取得は、家族のためではあるが、子どもを通じた親同士のコミュニティができる機会であり、将来の自分のためにもなることを認識すべきだと指摘する。もとより、従業員の幸せと健康を考える企業経営者や人事担当者にも参考になる内容だ。前■■野■隆■■司■・菅■■原■■育■■子■ 著/梶■■原■■豊■■■・高■■沢■■謙■■二■・菊■■池■真■由■子■・春■■日■井■淳■■夫■・木■谷■光■■宏■■・澤■■木■明■■■・小■林■■■ふじ子・長■■山■■萌■■ 著/産労総合研究所出版部経営書院/1760円石■■角■■友■■愛■ 著/日経BP/1980円「老年幸福学」研究が教えるLIFE100+人生を整えるためのキャリア・健康・資産管理AI時代を生き抜くということ人生100年時代50歳からのライフ・デザインづくり充実した人生を送るためには、将来に向けて自ら積極的に「人生を整える」ことが大切な時代になっているという。本書は、高齢期において日常生活をどう送り、生涯生活計画をどう立てて行動するかを考えるための道筋や、ノウハウ、情報が詰まった一冊。漠然と定年や高齢期を迎えるのではなく、いままで歩んできた50年間をふり返り、蓄積した職業能力やキャリア、取得した資格などの資産を有効に活用し、そこから先の態勢を考えていきたい。そのために行うこととして、自分のセールスポイントと学ぶことの確認や、ライフシフト(人生行路転換)のための具体的行動、生涯現役のための健康管理、50歳からの生活と経済プラン、資産管理と運用、公的年金をはじめとした社会保険についての知識などを、各分野の8人の専門家が、伝えたいことや知っておきたいことを解説している。また、効果的な時間管理への取組み、人と人とのつながりを大切にするなど、生涯現役時代に求められる行動力についても示している。定年後が気になる世代はもちろん、企業における中高年齢者を対象にしたライフプラン研修、キャリア研修などの教材としても活用できる。ChatGPTとリスキリングインターネットを使うことがあたり前になったのと同じように、ビジネスの現場ではChatGPTをはじめとする生成AIを活用することが通常になっていく。そんな情報にモヤモヤして、立ち往生してはいないだろうか。本書は、AI時代を生き抜くビジネスパーソンにとって必要なリスキリングについて、順を追って説明する実践的なガイドブックである。著者は、米国シリコンバレーでAIビジネスの最前線に立ち、多くの日本企業に対してAI・DX支援を提供している。冒頭では、大学で4年間学んだスキルを活かして40年間働ける「4年間働く「4to4」の時代になっていると説く。つまり、4年に1度ほどの継続的な学び直しが必要な時代になっているという。そして、進化の著しいAI時代に求められる人材像をあげ、そうした人材になるために必要なリスキリングを紹介。さらに、リスキリングを成功に導く「LEARN(ラーン)+Aステップ」について詳しく解説していく。年齢にかかわらずリスキリングが必要なことや、リスキリングをする際に目ざす方向性を主体的に意識して行うことの重要性も伝えている。60歳を意識しはじめた人やすでに超えた人はto40」の時代は終わり、いまは4年間学んで457青春出版社/1210円エルダーキャリア、健康、お金…各分野の専門家が教える生涯生活プランニング「老後も幸せが続く」知られざる方法が満載「4年に一度の学び直し」で、AI時代を生き抜こう!60歳から幸せが続く人の共通点
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