エルダー2024年1月号
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■■■安心して安全に働ける環境づくり児童クラブにおける会員一人あたりの就業日とが、日光市SCの事業の大きな特徴だ。放課後児童クラブ(以下、児童クラブ)は、就労や介護などにより保護者が昼間家庭にいない児童に対し、遊びや生活の場を提供して健全な育成を図る施設であり、日光市ではその運営を、日光市SCをはじめNPO法人などに委託している。日光市SCは、行政合併以前の旧今市市時代からこの事業に取り組み、実績が認められて継続されてきた。行政合併を経てから業務は拡大し、現在では市内48の児童クラブのうち、32の児童クラブを日光市SCが受託。児童クラブの対象児童数約1300人のうち、日光市SCのる。100人以上の会員が児童クラブの子どもを見守る日光市SCが運営する児童クラブは、小学校の空き教室や小学校敷地内の建物などにあり、あわせて100人を超える会員が指導員として就業している。会員の5人に1人以上がたずさわっている事業である。指導員には元教諭や保育士など子どもにかかわる仕事を長年務めてきた会員もいれば、子どもとはかかわりのない仕事をしてきた会員もおり、その経歴はさまざまだ。そのため、当該事業にあたる会員は、新任指導員研修の受講を必須としている。会員は通常、児童を受け入れる1時間前に各クラブに集合し、清掃やミーティングを行い、子どもたちが来ると、うがい、手洗い、健康チェックを実施して、宿題や自主学習、おやつの配付、その後は外遊びや室内遊び、自由勉強や読書などを見守り、保護者の迎えを待つ、という流れである。日光市SCの鈴■木■伊■之■常務理事兼事務局長は、「子どもたちが集団生活を気持ちよく過ごせるよう約束ごとを決めているほか、クラブごとに会員が工夫して、七夕やお月見、クリスマス会など子どもたちが楽しめる季節の行事を取り入れています。コロナ禍も緊急事態宣言下にあっても原則開館し、保護者のみなさまが安心して就労できるよう、子どもたちを受け入れていました。クラブごとにシフトを組んで就業していますが、会員がよくがんばって対応し続けてくれました」と児童クラブの仕事を語り、日ごろの会員の工夫や責任感、コロナ禍における仕事ぶりをたたえる。児童クラブの仕事は、健康で働く意欲があれば就くことが可能だが、いざ働いてみて、イメージと違っていたとか、体力的に自分にはむずかしいといったこともあるため、事務局では事前に事業概要を説明し、最初は試用期間として就業体験をしてもらい、継続する会員には新任指導員研修を受講してもらうことにしている。また、実務経験2年以上の会員には、希望により、「栃木県放課後児童支援員認定資格研修」の受講をうながし、さらに必要な知識・技能を習得する機会としている。数は週3〜4日で、就業日はそれぞれの希望を聞き、なるべく応じられるようにシフトを組んでいる。各児童クラブの班長・副班長がリーダーシップを発揮して会員をまとめ、円滑な運営に努めているほか、事務局のコーディネーターが事業全体をサポートし、小学校との情報共有な2024.116鈴木伊之常務理事兼事務局長32児童クラブで約1000人を受け入れてい

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