■■どもにない、「子どもたちの安全はもちろんですが、会員が安心して安全に働ける環境づくりにも努めています」と鈴木事務局長は話す。この環境づくりは、シルバー人材センターのすべての就業に共通していることで、高齢者に適さない危険のともなう仕事は受けず、仕事の仕方も安全第一でスケジュールを立て、依頼者の理解を得て行うことにしている。事務局は日ごろから会員の声に耳を傾け、何かあれば相談に応じる。会員にとっては、月10日程度の就業のため、地域活動や趣味、家族との時間などを大事にしながら、やりがいを感じる仕事ができる場となっている。援助を必要としている高齢者の力になり役に立つ喜び児童クラブの仕事は、子どもたちに対応するという内容から、「77歳まで」という年齢上限を内規としている。しかし、77歳を超えたら仕事がなくなるのではなく、年齢上限のない別の仕事に就くことができるという。例えば、市から受託している高齢者世帯の暮らしのお手伝い事業では、納戸からコタツを出したい、落ち葉掃きを頼みたい、ゴミ出しをお願いしたいなどの〝ちょっとした依頼〟があるという。単発で、いつでもある仕事ではないが、「役に立てるなら」と快く引き受けてくれる会員が必ずいるそうだ。「日光市は高齢化率が高いこともあり、『援助を必要としている高齢者の方々を支えたい』という思いや、『感謝されたことがうれしかった』、『励みになった』という話を会員から聞きます。月1、2回程度の仕事でも、『張合いがあります。私にできることならやります』といってくれる会員もいます。元気な高齢者が地域で援助を必要としている方の力になる。こうした事業では、会員は働くことを通じてだれかの役に立てる喜びを感じ、そのことがモチベーションになって元気な状態が長続きしている、そんな会員が多いように感じています」(鈴木事務局長)暮らしのお手伝いのほかにも、高齢者を対象とした通院移送サービス、個人からの依頼による墓地の清掃代行などさまざまな仕事がある。特技や趣味を仕事にして仲間と地域貢献する事業活動独自の事業では、会員の特技や趣味、好きなことを仕事にして、仲間と楽しみながら地域貢献する事業活動を展開している。日光杉並木観光ガイド事業は、「世界で最も長い並木道」としてギネスブックに掲載されている日光杉並木の一部や周辺の史跡を散策しながら日光の魅力を紹介する事業である。1997年に開始し、郷土の歴史や文化財、観光などに関心を持つ会員が、ガイドになるために研■鑚■を重ね、案内の仕方にも工夫を凝らし、個人旅行、団体旅行に対応。修学旅行や地元の小学校の総合学習において依頼されることもある。コロナ禍の影響を受けて現在は依頼数が減っているが、4人のガイドは毎月「観光ガイドの集い」を開催して仲間と新たな情報を共有するなどして、次の依頼に備えて熱心に準備を行っている。生涯学習の一環として、日光市SCの事務所がある「生きがいセンター」に陶芸窯が設置され、その教室で学んだ人たちがセンターの会員になったことがきっかけとなった。高い技術を持つ会員もいたことなどから、活動を開始。現在6人の会員が皿や花瓶などをつくり、JA直売所など3カ所で販売をしている。メンバーは、仲間との製作活動を楽しみながら、地域に貢献できるよう、多くの人に好まれるものづくりを目ざして励んでいる。立ち上げた「そば打ち愛好会」から、事業に発展した。日光はそばの名産地であり、愛好者も多いという。そうしたなかでそば打ち愛好会が陶芸品の製作販売は、2000年に日光市の手打ちそばの製造販売は、センターの会員が17特集シニア世代のワーク・ライフ・バランスエルダー
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