2014年1月17日に奥野さん夫妻の夢のカフェ「sunday1995年1月17日の阪神・淡路大震災を忘れないでいたいという気持ちを開店日に込めた。sunday離にあり、決してアクセスがよいとはいえず、道路に面してはいるものの人通りはそう多くはない。開業してしばらくは不安な日々が続いたという。ただ、会社員時代から焙煎を学び、心を込めてていねいに入れたコーヒーは家族にも好評だったので、コーヒーの味には自信があった。やがて、近所の人、近隣の会社で働く人たzoo」はオープンした。zooは三つの駅から等間隔の距ちが少しずつ店にやってくるようになり、「sundayになっていった。1年目は開業の費用がかかったため当然のごとく赤字であったが、売上げもコンスタントに伸びていったという。そのころ、「sundayるように、海外からオールプレス・エスプレッソやブルーボトルコーヒーなど世界的に著名なコーヒー店が相次いで清澄白河に進出、大手チェーンのコンビニエンスストアも開業するなど、奥野さん夫妻の不安が高まった。しかし、商売敵の相次ぐ出店によって清澄白河に新しい物好きの若者が集まり始めた。いつの間にか清澄白河は「コーヒーの街」として知られるようになり、多くの人が訪れ、「sundayzoo」にも立ち寄ってくれる人が現れ始めた。「著名なコーヒー店の集客効果はものすごいものがありました。あせってすぐに店を閉めなくてよかったと思います。私が開業のことでいろいろと悩んでいたとき、ある人に相談したらこんな言葉をかけてくれたのです。『失敗するかしないかはやるかやらないかだ』と。私は本当にそうだと思いました。やらなければ失敗はしないけれど成功も当然ありません。シニアで起業を考えている人にはこの言葉を私から贈ります。シニアの起業のポイントは、あまり考えこまなzoo」の名はしだいに知られるようzoo」を追いかけいことだと私は思います。若い人よりも残された時間が少ないので、ぐずぐずしていたらすぐに時間はなくなってしまうからです。そして、もうひとつ、定年になってから考えるのではなく、少なくとも10年以上かけて準備を進めておくことが大切です。私も、カフェをやりたいという思いは漠然とはあったものの、実際に必要なコーヒー豆の焙煎などの勉強に10年は費やしています。境に恵まれていると思います。なぜなら、やりたいことがあったら少しずつ準備を進めておけるのですから。若い人の起業とは違うところです。定年前、できれば40代か50代までに具体的な夢を持つことが大切です。分も定年後に起業したいと考えているけれど、できるだろうか』とたずねてこられる方もいますが、気持ちが定まっていないようです。まずは自らの意志を強く持つことが大切だと思います」と奥野さんは言葉を強めた。「sunday行っており、抽出はすべてハンドドリップでじっくり落とす。多いときには1日80杯以上淹そういう意味では、シニアは起業しやすい環私のことを何かの記事で読まれたのか、『自一杯のコーヒーで会話が弾み人生を楽しくする出会いが生まれるzoo」では豆の焙煎から21一杯のコーヒーに心を添えて特集シニア世代のワーク・ライフ・バランスエルダー
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