エルダー2024年1月号
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人は「Bがよい」という。そんなとき、最後は、わが社の経営理念なり、パーパスに基づいて決める、ということです。いろいろな考え方の人を社内に受け入れ、いろいろな議論をするなかで新しいものを生み出し、そのためにシニア人材を受け入れて活躍してもらう。そのなかで意見の対立が起きたとき、最終的には「共通の土俵」が決め手となります。細かいところまで考え方が一緒である必要はありませんが、シニアも若者も、男性も女性も、「わが社は何を目ざす会社なのか」ということに、社員一人ひとりがコミットしていることが重要になるということです。これまでの日本の企業では、フルタイムで勤務し残業もできる人が望ましい社員とされてきました。しかしいまは、「短時間勤務がよい」、「週休3日がよい」という声が、シニアにかぎらず、子育て世代など、いろいろなところから聞かれます。ところが、実際の働き方をみると、従来のフルタイム勤務で残業ができる社員が望まれていたときにできあがった仕事の仕方がまだまだ残されています。これを変えていくのが「働き方改革」ですが、残念ながら、働き方改革に対して多くの企業は、残業削減にとどまっています。もちろん、過度な残業は減らすべきですが、残業が少なくなればよい、ということではありません。例えば、毎日2時間残業がある職場が働き方改革に取り組み、残業を毎日1時間に減らしたとします。残業半減ですから、すごい成果です。ではこれで、“多様な人材が活躍できる企業になったか”というと、毎日1時間の残業がある状況ではだめなのです。では、さらに残業を減らせばよいのかというと、決してそういうことでもありません。大切なのは、出退勤時間の裁量や在宅勤務など、働く時間帯や働く場所を選択することができるような仕組みをつくることです。毎日1時間残業をしなくてはいけない働き方ではなく、「今日は残業しないで帰る」、あるいは「今日はまとめて残業をする」といったことを選択可能な仕組みができると、多様な人が活躍できるようになるわけです。肝心なのは、残業削減だけではなく「広義の働き方改革」によって、多様な人材が活躍できる仕事の仕方に変えていくこと。これが、シニアの活躍推進においても重要な考え方となります。働き方改革と同様に、職場風土の変革も重要です。フルタイム勤務で残業ができる社員が望ましいとされてきた時代には、例えば、課長が部下を評価するとき、BさんよりAさんに高い評価をつけたとします。ところが、Bさんは急な残業も毎回嫌な顔をせずに引き受けてくれることを思い出して、Bさんに対しても高い評価をつけようかと課長が考える、ということが起きがちです。残業の有無など単純な勤務時間数ではなく、1時間あたりどれだけ会社に貢献しているか、あるいは、短時間で質の高い仕事をしているかです。ところが、これまで仕事に費やしてきた時間を評価されて課長や部長になった人が多い職場では、従来と同じような評価の仕方をしてしまいがちです。時に、時間をかけた働き方を評価する職場風土の変革も必要になっているのです。        時間あたりの働きをみると、ほかの社員と同じを希望して6時間勤務をしているとします。1ように貢献をしています。しかし「あの人は早く帰ってしまう」、「残業をしてくれない」とマイナスの評価をするような職場は、変えていかなくてはいけないのです。現場の管理職にとっしかし、部下を評価するときに重要なのは、つまり、現在は働き方の仕組みを変えると同例えば、あるシニア社員が残業しない働き方多様な人材が活躍できる働き方改革を残業を評価する職場風土の変革を25

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