マー、パートタイマーとして雇用し、70歳以降も継続雇用が可能です。65歳以降はワークシェアリングや、短時間勤務希望者による単独ラインをつくり、多様な勤務体系を実現しています。意欲・能力の維持・向上の取組みとしては、評価と連動した賃金制度を確立し、月給制、日給月給制、時間給制があり、働くニーズに応じて業務内容、役割も含めて勤務形態を決定しています。高齢社員の経験と技術により、旧型機械を稼働できるようになり、それまで外注化していた事業の一部を内製化し、コスト削減・納期短縮を実現しています。定年後の嘱託社員の役割は、おもに後進の育成、技術の伝承となります。今後も、安全で安心な働く環境をつくり、高齢者のみならず、障害者、女性の積極的な活用に取り組み、一人ひとりに寄り添った柔軟な対応で、全社員が笑顔で働ける会社を目ざします。一般的に「新しい技術と高齢社員のつち内田 かってきた強みをどう両立させるのか」という声もありますが、井上機工のベテラン社員は昔から使ってきた方法で強みを出し、技術の伝承もされているとのお話がありました。また、能力向上の仕組みを工夫されていることも印象的ですね。高齢者雇用を推進する背景には、さまざ内田 まな状況があると思います。そこで、高齢者雇用を推進するようになった背景について教えていただけますか。当社は、旧温ゆ泉の津つ町まちという人口2500小川 人ほどの小さな町を拠点にしています。いまから10年ほど前、売上げの約3割を占める運輸部門で社員の高齢化率が54%となり、「高齢者雇用に取り組まなければ当社の未来はない」と考えたことがきっかけでした。吉田 職員の高齢化が進むなか、熟練した職員や職場の事情に通じた方に、より長く働いてもらいたいと考えたことと、ほとんどの職員が「継続して働きたい」という意向を持っていたので、それに応えたいと考えました。加えて、将来を高齢者雇用を強力に推進するようになった背景2024.130★ 3社のさらに詳しい取組み内容は、本誌2023年10月号「特集」をご覧ください https://www.jeed.go.jp/elderly/data/elder/202310.html有限会社小川商店代表取締役の小川知興氏〈岐阜県各務原市〉エルダー 2023年10月号検 索社会福祉法人フェニックス井上機工株式会社〈静岡県富士宮市〉有限会社小川商店〈島根県大田市〉◎創業 1966(昭和41)年◎業種 空調用配管部品の製造(電気機械器具製造業)◎社員数 197人(2023年4月1日現在)◎特徴的な高齢者雇用の取組み定年は60歳。希望者全員65歳まで再雇用、その後も基準を設けて70歳まで継続雇用。以降も運用により一定条件のもと年齢上限なく継続雇用。継続雇用を希望する際の面談では、働く側の希望に応じた勤務形態や各人の評価結果等に応じて、賃金や手当などを決定している。◎創業 2000(平成12)年◎業種 社会福祉・介護◎職員数 193人(2023年4月1日現在)◎特徴的な高齢者雇用の取組み定年は60歳。希望者全員70歳まで再雇用、その後も基準を設けて年齢上限なく継続雇用。定年後も、賃金は60歳到達時の基本給を据え置いている。「介護助手」という職務の創出や、介護ロボットなどの導入により、だれもが活躍できる職場環境づくりを推進している。 ◎創業 1688(元禄元)年◎業種 石油・食品小売、運輸、自動車整備◎社員数 72人(2023年1月20日現在)◎特徴的な高齢者雇用の取組み定年は66歳。定年後は基準を設けて70歳、その後も基準を設けて75歳まで継続雇用。以降も運用により一定条件のもと年齢上限なく継続雇用している。2015年にJEEDの企画立案サービス※を活用し、定年年齢の引上げとあわせて、再雇用後の賃金の見直しを図った。企業プロフィール
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