エルダー2024年1月号
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年齢を問わず、転職先に選んでもらえる小川 会社になることを目ざして、SNSなどを通じて日々の情報発信を今後も積極的に行う方針です。また、さらなる高齢者の活躍機会の創出と、地域社会との連携効果で、「会社・地域の課題=我がこと」ととらえ、変化を生み出す力を持つ高齢社員を増やしていきたいと考えています。吉田 現場からの声なのですが、介護職員の手の届きにくいようなサービスの提供、例えば、介護エステや、その人らしい部屋の飾りつけをするといったことを担当できる人材を募集できないかという話があり、今後地域に発信していくことを検討しています。そうした仕事に就いてもらうなかで、徐々に活躍できる範囲を広げていくというような採用もできたら、という話合いを現在進めているところです。塩原 当社では、ダイバーシティの確立を目ざして、多様な社員がつねに安全に働ける環境づくりに今後も努めてまいります。また、最近、協働型ロボットを導入しました。くり返しの作業などはロボットに置き換え、経験や技術が必要な仕事は高齢社員に、という共存のかたちをつくることが、今後の取組みの方向性の一つと考えています。内田 高齢者雇用を前向きに考えながらも、戸惑いを感じている企業も多いと思います。最後に、これから高齢者雇用を進める企業・団体へのアドバイスをお願いします。小川 まずは、年齢で判断しない「エイジレス」の考え方を導入していくことが大事ではないかと思います。そして高齢者雇用の推進にあたっては、高齢社員のみならず、すべての社員とコミュニケーションをとっていくことが一番大切ではないでしょうか。高齢者雇用には、社会実験のような側面吉田 があるような気がしています。経営者のリーダーシップが重要なことはいうまでもありませんが、この人口減少の時代にはリーダーだけが指示をしている組織では、環境変化に十分対応できないと感じています。社員一人ひとりが“我がこと”として、自分自身をつねにアップデートし、トライ・アンド・エラーで新たな試みにチャレンジする。それを経営者がしっかり後押しするような関係が理想ではないかと思っています。塩原 トの増加を救ったのは高齢社員でした。経験豊富な高齢社員を貴重な人材と位置づけ、その経験や技術を最大限に活用するとともに、年齢にかかわらず業務の貢献度に応じて評価し、働き続けられる環境を整備することで、高齢社員はもちろん、社員一人ひとりが笑顔になれるような会社になります。地域社会に必要とされる会社を目ざして、これからも取組みを続けてまいります。内田 きたい」、「会社に貢献したい」という方々を、年齢にかかわらず戦力として活用することによって、会社はより強くなります。取り組み始めたばかりのころは苦労を重ねることになるかもしれませんが、先行的に取り組むことでノウハウを獲得し、より長くそういった方々を活用し、働く人たちも幸せに、かつ企業・団体も強くなれるようなシステムづくりについて、本日のお話はおおいに参考になるものと思います。当社にとって、若手の採用難と生産コスありがとうございました。「まだまだ働本日はありがとうございました。これから高齢者雇用を進める企業・団体へのアドバイス33井上機工株式会社総務課長の鈴木穂高氏

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