一つひとつの「行動」の積重ねからチーム運営に役立つミスの報告に対して叱る、怒鳴るという反応をリーダーやベテランが頻繁にしてきた結果、そのチームでは「ミスをしたら怒鳴られるので、言いにくい」という状態になってしまいます。また新しいアイデアに対しても「前例はあるの?」、「それはうちではむずかしいね」などの否定的な反応がくり返されると、新しいアイデアは言いにくくなるのです。メンバー一人ひとりがとった行動に対して、リーダーやほかのメンバーがしてきたリアクション(反応)の一つひとつが、いまのチームの状態をつくっています。職場によっては、だれも反応してくれないので、朝の「おはようございます」という挨拶にすら抵抗感がある職場もあるかもしれません。このように、日々のメンバー同士の発言や行動、リーダーの反応などを見ながら、チームのなかで学習してしまっているのです。く人たちが多様になりました。性別や国籍、育児や介護などの家庭環境、高齢者の雇用など、一人ひとりの持つ多様性をチームの力に変えていくために、より心理的安全性の高い状態にすることが求められています。心理的安全性の高いチームを目ざすうえでの注意点は「心理的安全性をつくれ」などと指示をしても、一朝一夕には変わることはない、ということです。これは前述の通り、いまの「心理的安全性が低い」状態は、過去の歴史の積重ねによってつくられているからです。よりよい状態に変えていくためには、一人ひとりのよい行動を積み重ねていくことが大切です。では、どうすれば「行動変容」は起こせるのでしょうか。かけ→行動→みかえり」フレームワークをご紹介します。行動変容に役立つフレームワークで、図表2のように、三つの箱を使って、何が人々の行動をもたらすのか、分析をすることができます。例えば「同僚に『近くに新しいレストランができたから行ってみようよ』とランチに誘われる」という【きっかけ】があって、ランチに行ってご飯を食べるという【行動】が起きます。そして行動の後の「安くて美味しかった!」という【みかえり】が【Happyなみかえり】であれば、そのレストランをリピートするというように行動が増え、一方で、美味しくない・高いのに不愉快な接客など【Unhappyなみかえり】であれば、二度とそのレストランには行かないでしょう。このように、人々は【きっかけ】をもとに行動をとり、そして自分がとった行動に対して、その直後に【Happyなみかえり】があると次にまた同じ行動をとる確率が上がり、【Unhappyなみかえり】があると、次にまた同じ行動をとる確率が下がるのです。レストランの例を聞くとあたり前のことのように感じるかもしれませんが、あなたがリーダーの立場で、メンバーから「トラブルの報告」を41出典:『心理的安全性をつくる言葉55』(飛鳥新社)エルダー図表2 行動分析のフレームワーク多様な人材を活かす多様な人材を活かす起こす状況・文脈自分からとれる次回、同じ行動をとる確率が変わる変わる結果がHappyかどうかきっかけその人が行動を行動その人がみかえり行動した後の心心理心的全全全安全全性性のの高い職場づくり高い職場づくり2いまチとーいムうの時心代理は的、安以全前に性比がべつてくチらーれムるで働アクション3行動行分動析分学と析いのうフ学レ問ー分ム野ワでー使わクれる「きっ
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