えし言葉」までをセットで伝え、望ましい行動を増やしてもらうことです。このときの「おかえし言葉」はみかえりとして、行動をとった本人がたしかに実感できるHappyであることが重要です。ですから「ありがとう」とただ伝えるだけではなく、あなたが何についてありがたいと感じたのか、「〜してくれてありがとう」と、理由をつけて感謝を伝えることが、相手の次の行動を生み出す秘訣です。ほかにも、日常的に枕詞のようにあたり前に使っている言葉が、悪いきっかけとして作用しうる、という例をご紹介します。「自分は嘱託社員だから…」という言葉が浮かんでしまうと、遠慮してしまうことがあります。これは、この言葉が悪い「きっかけ」となって「気がついた改善点を言う」という行動を減らしている、といえます。また、「あの人は再雇用だから…」という言葉が浮かぶと、負荷をかけ過ぎないようにと気遣いが生まれます。チーム全体で考えたらその人にお願いしたい仕事でも、依頼ができなくなってしまいます。気遣いは決して悪いことではありませんが、過度になると本人は言われれば自然と引き受けていたかもしれない仕事でも、依頼されなくなるわけですから、実際にやらなくなってしまいます。これも「あの人は再雇用だから…」という言葉が悪い「きっかけ」となって「できるかどうか確認する」、「依頼をする」という行動を減らしているといえます。このように、日常的に使っている言葉を一度ふりかえってみると、すぐに変えることができる【きっかけ・みかえり】が見つかることがあります。あなたの言動が、相手の望ましい行動を引き出し、またその行動をリピートさせる言動になっているかどうかを、この機会にふりかえってみましょう。特にリーダーにおすすめしたい「きっかけ」づくりのヒントがあります。それは、再雇用や嘱託の方にかぎらず、メンバー一人ひとりに「相手に期待すること」を明確に伝えることです。特にベテランのメンバーには「いま現在何を期待しているのか」をあらためて伝えてみてください。本人が思っている「期待されていること」とリーダーが考えている「期待していること」にずれがあるかもしれません。ベテランメンバーは知識や経験が豊富でできることが多いので、どの能力を活かすことを期待されているのかが、明確になっていたほうが本人は迷いなく力を発揮することができます。期待に応えて行動してくれた際は、先述の「理由をつけて感謝を伝える」も、ぜひセットで実践してみてください。含むメンバー一人ひとりの日々の行動の積重ねが重要です。行動変容のために「きっかけ→行動→みかえり」の行動分析のフレームワークが役立ちます。ここまで読んでいただき、お気づきになっているかもしれませんが、あなたの言動が相手にとっては、行動を起こす【きっかけ】や、行動をリピートするかどうかを左右する【みかえり】になっていることが多々あります。「手伝ってくれない相手が悪い」のではなく、自分は相手が手伝いたいと思える適切な【きっかけ】や、相手が手伝ってくれたときに「次回もぜひ手伝いたい!」と思える【みかえり】を届けられているのか、という視点をぜひ持っていただきたいのです。もちろん逆に相手の言動があなたにとっての【きっかけ】や【みかえり】となって、あなたの行動に作用していることもあります。仕事を進めるうえでお互い望ましい【きっかけ】や【みかえり】を提供し合えると、チームがより機能的になっていくのではないでしょうか。あなたが新たに用意できる【きっかけ】には何がありますか。また行動した人にとってHappyに感じる【みかえり】として何ができそうでしょうか。行動分析のフレームワークを活用し、心理的安全性を高めるために必要な「チームにとって望ましい行動」を増やしていきましょう。43エルダー多様な人材を活かす多様な人材を活かす心心理心的全全全安全全性性のの高い職場づくり高い職場づくり4チーまムとのめ状態を変えていくためにはあなたを
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