1会社と取締役(代表取締役も含みます)は、法的に別人格であり、権利や義務も区別されることになります。そのこと自体が、会社を設立して経済活動を行うことの意味であり、これが区別されないままだと、会社名義で経済活動を積極的に行うことが阻害されてしまうでしょう。労働基準法に関しても、労働者との間でこの法律を遵守しなければならないのは使用者である会社であり、取締役個人ではありません。ただし、取締役は、会社法に基づき善管注意義務および忠実義務を負担しているといわれており、会社の利益を追求するにあたり、法令に違反しない方法を選択するようにしなければなりません。取締役自身が法令を遵守することに加えて、自身以外の取締役が法令を遵守するよう監視する義務もあり、また、従業員らに法令を遵守させなければ会社の法令遵守は実現できないことから、会社の体制として法令を遵守することを目的とした仕組みをつくることも必要になります。という任務をになっているということであり、このような任務を懈■怠■することは許されていません。会社法第429条第1項は、「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う」と定めることで、取締役の任務懈怠により取引先などの第三者へ生じさせた損害について、取締役個人が賠償する責任を負担要するに、取締役は会社に法令を守らせる未払残業代を取締役個人に対して請求された未払残業代の発生が、取締役の故意または重大な過失による場合には、個人も連帯して責任を負担することがあります。■A退職した従業員から未払残業代を請求されたのですが、会社だけではなく、取締役個人にまで請求されています。このような請求が認められることがあるのでしょうか。取締役個人に対する請求の根拠Q12024.144 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は変化するうえ、ときには重要な判例も出されるため、日々情報収集することは欠かせません。本連載では、こうした法改正や重要判例の理解をはじめ、人事労務担当者に知ってもらいたい労働法などを、Q&A形式で解説します。第68回 未払残業代と代表取締役の責任、高齢者採用と退職金弁護士法人ALG&Associates 執行役員・弁護士 家永 勲知っておきたいA&A 人事労務担当者にとって労務管理上、労働法の理解は重要です。一方、今後も労働法制は&Q労働法
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