エルダー2024年1月号
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■■■■■■■■■3吉本新喜劇で「3時間大笑い」するとがんとも戦うナチュラルキラー細胞が活性化の数値が高すぎるとアレルギーになり、低すぎると感染症になります。それが、吉本新喜劇で3時間大笑いするだけで、NK細胞がちょうどよい数値に収まりました。大阪では実験の場所から、「NK細胞は、なんば(N)花月(K)細胞だ」という人まで出てきたのです。昇 まずは海外の事例ですが、「笑い療法の父」と呼ばれるノーマン・カズンズという人物がいます。米国人ジャーナリストで、被爆した原爆乙女※3を米国に招いて治療を受けさせたことで知られていますが、彼自身、治る確率が500分の1とされる膠■原■病■■の一種の難病に罹患していました。激痛をともなう病気でしたが、テレビを見ながら夜10分間、本気で大笑いすることによって鎮痛効果が得られ、2時間は痛みを感じることなく睡眠できると証明しました。彼の著書『笑いと治癒力』は非常に有名で、日本語にも翻訳されています。日本では、日本医科大学の故・吉■野■慎■一■名誉教授によるリウマチの研究があります。大の落語好きだった吉野氏は、病院内に寄席をつくって落語家を呼び、リウマチ患者に1時間ほど笑ってもらいました。すると、リウマチを悪化させるインターロイキンー6という物質が半分以下になりました。この結果は、アメリカの学会誌にも載りました。遺伝子工学の権威で、2021(令和3)年に亡くなった筑波大学の村■上■和■雄■名誉教授も、笑い学会の会員でした。村上氏は、「笑い」が特定の遺伝子を活性化させることを実験で証明しています。笑うことが、よい遺伝子のスイッチをオンにして、悪いスイッチをオフにすることを突きとめ、発表当時は大きなニュースになりました。昇 ます。何をおもしろいと思うかは、人それぞれ違いますが、ひとついえるのは、どんなことでも、ある程度の知識がないと笑えないということです。例えば、有名な映画を題材にした笑い話は、その映画のことを知らなければおもしろくもなんともないでしょう。笑い話のどこがおもしろいかを説明することほど、つまらないものはありません。そういう意味年をとると、人はだんだん笑わなくなり―笑いの効果を医学的に実証する研究はほかにもあるのでしょうか。いて、免疫機能が低下する高齢者にとっても、笑うことの意味は大きいということですね。高齢者が、日々の暮らしで「笑い」を増やし、※3 原爆乙女……広島で被爆し、顔や体にやけどを負った女性たちの総称活き活きと過ごすため、必要だとお考えになることをお聞かせください。―「笑いの効果」は医学的にも証明されてエルダー

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