思い描いたものを形にすることに喜びううゅつす ょう褒ほ章し」を受章した。る「第4回クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」(フランス)で個人アメ細工部門1位および日本チーム2位、1998年には「世界製菓芸術コンクール」(モナコ)で1位になるなど好成績を残す。グランドハイアット東京には、開業メンバーとして2003年に入社し、各レストランや宴会場、ペストリーブティックなど、ホテルで提供されるすべてのスイーツ・パン製造を統括してきた。また、後進の育成にもたずさわり、世界大会で優勝・受賞したパティシエを何人も輩出している。これらの長年にわたる功績が評価され、2018年に「卓越した技能者(現代の名工)」を、2023(令和5)年には「黄お綬じ華々しい実績を誇る後藤さんだが、最初から「菓子職人になりたい」という思いでこの業界に飛び込んだわけではなかった。「高校卒業後、せっかく働くなら技術を身につけたいと思い、調理系の仕事に就こうと、和洋中すべてがそろうプリンスホテルに就職しました。そのなかで選んだのが、もっとも華やかそうな製菓部門でした」配属された東京プリンスホテルの製菓部門を統括していたのは、日本のホテルベーカリーの基礎を築いたといわれる内う海み安や雄お氏。「偉大なシェフに学びたい」という意欲にあふれた人たちばかりで、職場は緊張感に満ちていた。そんな環境のなかで後藤さんは、菓子づくりの知識ゼロの状態から、目の前の仕事を着実にこなしていくことで、次第にできることが増え、仕事がおもしろくなっていったという。国際コンクールで好成績を残せた理由を聞くと、「新しい技術といっても、昔からある技術の延長線上にあるもので、それを思いつ62後藤さんのもとで約20人のスタッフが、ホテル内の各レストランや宴会場、ペストリーブティックなどで提供されるすべてのスイーツやパンづくりをになう「後進には、私のやり方を押しつけるのではなく、コンクールへの参加など、自ら工夫し、成長できる機会を与えるようにしています」
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