目的意識を持ってよいコミュニケーションを設計する令和5年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム―株式会社物語コーポレーションの事例から―成長企業で実践されているコミュニケーション施策発表①組織を機能させるためのコミュニケーション施策の設計「人的資本経営における職場コミュニケーション〜Z世代からポスト団塊世代まで」株式会社ビジネスリンク代表取締役、西に川か幸ゆ孝た株式会社物語コーポレーション社外取締役かしわき私はおもに、人事労務のコンサルティングを仕事としています。また、本日の事例としてご紹介する「株式会社物語コーポレーション」の社外取締役も務めています。物語コーポレーションは、「焼肉きんぐ」などを中心に国内外19ブランドで、直営およびフランチャイズ方式による外食事業を展開しています。好業績かつ持続的に成長しており、店舗は国内直営で405店、連結売上高は900億円台(2023年6月時点)となっています。設立は1969(昭和44)年と歴史は古いのですが、現在も成長を続けており、従業員の平均年齢はションや人材の活性化について、特徴ある取組みを実践しています。はじめに、組織集団と人間について、進化心理学的観点からみた私の考え方を説明したいと思います。人間は、狩猟採集時代と現代でも大差はなく、集団形成本能を持っています。また、人間の行動の多くは、論理的思考よりも情動・感情によって引き起こされ、それは本能のメカニズムに規定されるという原則があります。つまり、集団と人間は、影響を与え合うという側面があり、集団が成立すると、人間は基本的に集団のオペレーションやルールに従い、そのなかで自身の役割を果たそうとします。また、組織内のメンバーへの協力、有能者の模倣、未熟者への教示などの行動もみられます。そして、集団形成とコミュニケーションは密に関連しており、コミュニケーションがうまくとれることが、その集団がうまく機能することにつながっているといえます。孤独が緩和されます。じつは、孤独が極まっていくと人間の能力が下がっていくという研究結果があり、良好なコミュニケーションは、能力や生産性の向上に直結すると考えられます。一方で、集団形成がうまくいかないと、会社組織よりもインフォーマルな組織が優勢になり、集団内で役割を果たすことで成長するという機会も減少します。識を持ってよいコミュニケーションを設計する、という考え方が重要になってきます。コミュニケーションがうまくとれていると、企業活動でよい結果を出したいなら、目的意物語コーポレーションでは、経営理念に「S33歳ほどの若い組織です。そして、コミュニケー10月12日開催
元のページ ../index.html#10