何気ないコミュニケーションはトップが率先して働きかけていくを徹底していくことだと思います。自身がどういう人生を歩んでいきたいのか、そのなかでキャリアをどう位置づけ、そのキャリアによってどういう将来像を描いていくのか。このことをしっかり考えて、自己決定することだと思います。特に、シニアの方々の多くは、これまで会社の辞令によって仕事や評価が決まってきたと思います。それを、自分で決定するように変えていく。会社組織ですから、上司と部下の間でしっかりと相談して、上司に自身のキャリアを提案し、上司からはシニアの方が気づいていないような持ち味を活かす役割を提案するといったすり合わせの場、1on1を重要視しながら進めていくことが大事だと思います。その際、上司も自身のキャリアビジョンを持ち夢を持って働いていくことがとても大事で、その姿勢が部下に伝わります。年上部下の方々に対しても、﹁自分もキャリア自律して働こうとしているから、一緒に考えませんか﹂、といったスタンスだとうまくいくのではないかと思います。亀田 キャリア自律のご説明もありがとうございます。西川あゆみ先生にお聞きしますが、ミドルシニアやシニアの問題として、話を聞けない人が多いと感じます。傾聴という素養がないとか、意識もない方に対して、どのようなアプローチや施策を行うと職場コミュニケーションが活性化できると思われますか。西川あゆみ えば葛藤を回避する会話の練習があり、そのなかで黙っていられない管理職の方が多く出てきます。なぜ黙っていられないのか、﹁黙って聞いているときに聞くべきところはどこなのか﹂ということを練習します。それが職場のメディエーション※といわれているような、一つのコミュニケーションのアプローチなのです。﹁黙っていられない﹂という、自分の行動特徴に気づいてもらうとともに、本当はどういうところを聞かなくてはいけないのかを知るために、﹁ここでこういう合いの手を入れるんですよ﹂ということをお伝えすることで、コミュニケーションについて学んでもらう方法です。亀田 ン﹂という言葉は、一から勉強するとたぶん何傾聴がむずかしいという場合、例いまお話に出てきた﹁メディエーショ年もかかってしまうと思うので、正式なかたちでなくても、日常的にシニアの方ができることがありましたら、教えていただけますか。西川あゆみ ﹁あのレポートはもうできていますか﹂といった一般的なメッセージが、﹁ハラスメントでした﹂となって衝撃を受ける場合もあります。受けとめ方が違うので仕方ない一面もあるのです。そこで、﹁これはハラスメントではないんだけれども、あのレポートはもうできていますか﹂というように、前提を言語化することも方法の一つです。亀田 亀田 どんな特徴があるのか。先生方からみて感じておられることをお聞きしたいと思います。西川幸孝不可欠な機能ですが、それを測るバロメーターとして、上司部下などの立場を超えて﹁何気ない会話が成り立っている﹂ことが大事だと考えています。業務連絡や報告においても、言葉を発することに対して抵抗感があると支障が生じます。会話することに抵抗がない状態をつくってい世代間ギャップのなかで、例えば参考になります。ありがとうございます。次に、よい取組みができている会社にはコミュニケーションは組織にとって※ メディエーション……裁判のように勝ち負けを決めず、中立的な第三者を通じ話合いにより互いが合意することで紛争の解決を図ること株式会社ビジネスリンク 代表取締役、株式会社物語コーポレーション 社外取締役西川 幸孝氏15エルダー特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅠ〜
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