のうも若手とのコミュニケーションに悩むシニア世代へのアドバイスくことが何より重要だと思います。亀田 堅苦しいコミュニケーションしかできない職場が、何気ないコミュニケーションができるようになるために、どんなことを実践していけばよいでしょうか。西川幸孝 トップや幹部クラスから行動を起こしていくことです。遠慮なくものをいっても大丈夫な職場であるという経験がくり返されて、それが組織カルチャーになっていきます。トップの決意と行動に尽きると思います。亀田 前川先生、いかがでしょうか。前川 私はよく﹁チームづくりには五つのステップがある﹂という話をするのですが、最初のステップは﹁相互理解﹂です。業務上のやり取りだけでなく、人としての相互理解が土壌として必要だと思います。すると、プライベートな部分をどう理解し合うか、どうしていくか。そのためにも、先ほど西川幸孝先生がお話しされていた﹁何気ない会話﹂が、私もとても大事だと思っています。それを上司が率先して行い、自己開示していく。﹁子どもが受験だ﹂とか、﹁親の介護をしている﹂とか、いろいろな事情がみなさんにあると思います。ここはそういうことを話してよい場所なんだ、ということをさし示しくり返していくと、ほかの社員もシニアの方も含めて、だんだん自己開示が進んでいく。そうすると、お互いの思いやりも循環していくのではないかと思います。亀田 職場での施策として、自己開示を進める方法はありますか。前川 ルールにするのはむずかしいのですが、例えば当社では、毎週月曜日の朝礼は、週末の楽しかった話をするということを徹底しています。業務上では、最近はリモートワークもあり、部下のマネジメントで業務日報や週報を確認しているケースがあると思いますが、1行でもよいので仕事に対する感想を書いてもらうと、上司は気持ちの変化に気づけると思います。そういった施策を、いろいろな角度で実践していくことではないでしょうか。亀田 西川あゆみ先生、お願いします。西川あゆみ が、﹃クライシス・カウンセリング﹄の共著者やはり対話が大事にはなるのですの元陸上自衛隊の下し園ぞ壮そ太た先生から教わったことに、﹁最近あった残念なこととよかったことを一つずつ教えて﹂といったことを、日常会話に織り込んでいってちょっと聞いてみる、ということがあります。ちょっとしたことであったとしても、それを共有しくり返すことで、その人を理解することにつながります。これは私自身も実践して心がけていることですし、アドバイスすることもあります。亀田日常会話でできますね。西川幸孝先生と前川先生の何気ない会話、あるいは自己開示についてもたいへん参考になるお話をいただきました。亀田 です。﹁感覚の違いからハラスメントのリスクを恐れて、若手とのコミュニケーションをとりづらいと感じているシニア世代に具体的にアドバイスをください﹂という内容です。西川幸孝先生から、お願いします。西川幸孝 員の行動の総合計です。社員には企業が求める行動をとってもらう必要があります。一方で、社員という存在そのものに対しては、ハラスメ残念だったこととよかったこと。これは続いて、視聴者の方からいただいた質問そもそも企業活動とは、経営者や社株式会社FeelWorks 代表取締役、青山学院大学兼任講師前川 孝雄氏2024.216
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