エルダー2024年2月号
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ウェルビーイングの向上は企業に求められる取組みの一つ令和5年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム女性も、そして誰もがイキイキと働ける風土へ総論わ「女性社員のウェルビーイング向上〜エイジレスなキャリアと健康支援」 芥あ川が奈な津つ子こくたさんぎょうい株式会社代表取締役社長割が65歳以上となる2030年問題をはじめ、今後さらに高齢化と人材不足が深刻になることが予測されています。その結果、労働生産性が低下し、諸外国との競争力低下の懸念や、生産年齢人口の減少により、社会保障制度を維持する財源の確保がむずかしくなっていくという懸念も出てきています。最近では物流業界における人手不足がクローズアップされていますが、今後はあらゆる産業分野で不足する人手を補うために、DX化やAI活用、外国人やシニア、女性などまだ活用しきれていない潜在的労働力を、どれだけ引き出せるかが重要となります。日本の労働力人口における女性の割合は約た。しかし、女性雇用者数のうち56%は非正規雇用社員であり※1、女性のパフォーマンスが存さんぎょうい株式会社代表取締役社長の芥川奈津子と申します。本シンポジウムの開催にあたりまして、はじめに、今回のテーマである女性の健康とキャリアについて、総論をお話ししたいと思います。当社は、企業へ産業医や産業保健スタッフを紹介し、産業保健体制の構築と運営支援を行っている会社です。また、2019(平成31)年より女性の健康とキャリアを軸としたダイバーシティや女性活躍関連の研修事業にも取り組んでいます。私自身、2人の小学生の母であり、企業の代表という顔を持ちながら仕事をしています。少子高齢化を背景として、日本の人口の約3分に発揮できている環境とは、依然としていいがたい状況にあります。応えられなくなり、業績不振につながる可能性があるほか、少人数の従業員に過度な負担がかかり、人材が疲弊・流出し、さらに人手不足となる負のスパイラルが起こりやすくなっていきます。風土をつくるために、企業にいま求められているのが、まさに本日のテーマであるウェルビーイングの向上であり、そのために必要な要素として、「健康・安全へのリテラシー向上」、「職場環境・風土の醸成」、「キャリア形成やリスキリング」、「人事制度や多様な働き方」の4点があると考えています。一方で、人手不足が進むと、顧客のニーズにこれらを回避し、だれもが活き活きと働ける人材を集めればよいのではなく、労働者に選※1 厚生労働省「令和元年版働く女性の実情」44・4%と、半数近くを占めるまでになりまし10月19日開催

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