エルダー2024年2月号
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さまざまな課題の解決に向けた人的資本経営と職場コミュニケーション令和5年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウムシニア層の活躍を目ざすときの職場コミュニケーションの課題シニア層の活躍を推進するためのコミュニケーション五つの課題「人的資本経営における職場コミュニケーション〜Z世代からポスト団塊世代まで」 亀か田だ高た志し株式会社健康企業代表、医師、労働衛生コンサルタントめか総論7「人的資本経営」とは、「人材を『資本』としてとらえ、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値の向上につなげる経営のあり方」と定義づけられています。今後の社会を展望し、これから注目される「人材=資本」として、①若手・Z世代、②シニア層(ポスト団塊世代など)、③女性活躍、④障害者雇用、⑤外国人の活用が考えられます。しかし、若手については、少子化にともなう人材不足に加え、早期離職や入社後の病気休業などが多くの職場で課題になっています。一方、シニア層では、労働災害の増加、心身の機能低下に加えて継続雇用などの場合にモチベーションが低下するといった課題が生じています。また、さまざまな相談を受けるなかで感じていることですが、現代は孤独で孤立した人が増えており、シニアは夫婦関係や親の介護などさまざまな課題を抱えるのですが、相談する相手がいない、といった状況もみられます。これらの課題について、本シンポジウムでは解決策やその糸口を3人の先生方にご紹介していただきます。そのカギとなるのが、職場コミュニケーションではないかと思います。シニア層の活躍を目ざした職場コミュニケーションに関して、実際にはさまざまな課題があります。一つめは、シニアの活用に向け、経営者やトップがどのような理解のもとに社内外に言葉を発しているか。ケーションのあり方として、だれが、どのような意図でワーディング※を工夫しているか。権威主義的で、縦割りや上意下達が徹底される構造か。あるいは、機能的でフラットな組織か。るときに、それを可視化しているか。人事部門が従業員による対処を、どのように伝え、支援しているか。すためのコミュニケーションなのか。あるいは、競争による相対評価(成果主義)を推し進めるコミュニケーションなのか。います。二つめは、社内に周知される職場コミュニ三つめは、コミュニケーションを行う組織が、四つめは、中高年以降、キャリアダウンにな五つめは、社会的な意義や貢献をともに目ざでは、ここから先生方のお話に移りたいと思※ワーディング……言葉づかい、言い回しを統一することエルダー特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅠ〜10月12日開催

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