エルダー2024年3月号
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「50歳からのキャリア開発・支援、リスキリング〜シニアの活躍に向けて」NTTコミュニケーションズ株式会社ヒューマンリソース部キャリアコンサルティング・ディレクター浅あ井い公こ一いちさうシニア社員の活躍を推進する取組みは変容をうながす研修や上司も変える面談がカギ令和5年度 生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム〜76%のシニア社員の行動を変えたNTTコムの取り組み〜発表②NTTコミュニケーションズ株式会社は、通信事業を行うNTTグループ企業の一つで、インターネットを使った法人のみなさまへのソリューション事業の提供を中心的な業務として行っています。従業員数は、2023(令和5)年7月現在、約9300人で、50歳以上の割合が約37%です。2030年にはこの割合が63%になり、そのれています。私は2013(平成25)年に人事・人材開発部門に着任し、翌年度からおもにベテラン社員の活躍推進に取り組む役割をになっています。これまで社内外含めて、キャリア面談を約3000人に行い、キャリア指導したマネージャーも1000人を超えるほどになっています。当社では2020年10月にキャリアデザイン室を立ち上げました。現在、私を含めて9人の担当がおり、毎年1000人以上のキャリア面談を行っています。また、私自身は兼業で社外への講演や各企業へのコンサルティング、メディア出演、著書の出版なども行っています。シニア社員の活躍推進の施策としては、50歳の社員を対象とした研修と面談を実施しています。その目的に、シニア社員のモチベーション向上を掲げているわけではありません。面談を行うと、そもそもモチベーションは下がっておらず、多くのシニア社員は「まだまだがんばりたい」と思っているからです。しかし、成果の上げ方がわかっていないので、「どうやって成果を上げていくか」、「どうやって組織に貢献していくか」ということを教えていくというところが、ほかの企業の取組みと少し違うところかもしれません。キャリア面談を行います。最初の1日研修には、社員がキャリアビジョンを描く、行動計画を策定する、といったメニューは入っていません。研修の短い時間のなかで、自分の10年、20年先のことを考えるのはむずかしいので、研修ではキャリアビジョンを描くための考え方や、行動計画の立て方といったことを伝えて、その後の面談までに考えてもらう、といった位置づけで実施しています。として「どうあるべきか」ではなく、人生100年時代といわれる時代を迎え、一人の人間として「人生100年時代の幸せってなんだろう?」1日研修を行い、その1カ月から2カ月後にまた、キャリア面談では、ビジネスパーソン13特集生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム 〜開催レポートⅡ〜63%のうち34%ほどが60歳以上になると予測さエルダー10月27日開催50歳からのキャリア開発支援

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